まず、なぜ自分がこの問題を気にしているのか、少し書いておく。 第一に直接の理由。最近になって「学芸員の研究テーマ選択が恣意的に見えるが、現在の研究活動は地域に対する貢献になっているのか、社会のニーズに応えるものであるのか」という御下問が、直接的・政治的影響力を持つ方面から降ってきたこと。おそらく今後も様々な方面からこれに類する疑問が浴びせられることだろう。それらに対しては、より深い理解を真剣に求めていくことが第一だろうが、同時に、かくのごとき批判を受けてしまう現状について省みることも避けられない時期に来ているのだ。 第二に個人的な動機。研究なんて所詮は遊びとうそぶく人の真意はよく理解している。が、せっかく貴重な時間を割いて研究するなら、多くの人に意義を認められる方がいい。人生は短いのだ。 移動展で展示するスミレ写真印刷。早池峰コーナに展示する早池峰山の写真も印刷。陸産貝類13種を標本箱に並