※本稿は映画『君たちはどう生きるか』のレビューです。物語の内容に触れる記述があるため、作品鑑賞後の閲覧をおすすめします。 “たとえば積み木の王国。積み木の王国という名称はすでになく、それらを作り上げていった幼いころの記憶は、あなたの中に、もうどこにもない。覚えていないし、わたしからこうやって聞いても、思い出せない。それはあなたの中の、想像が織りなす世界で、大切な外壁、支柱、外装などの一つとなって、他のことと複雑に折り重なり、編み込まれているから。それが、残像です。逆に言うと、あなたの想像の世界を支える大切なパーツになってしまったから、記憶は完全に消えたのです。形や姿を変えたのではなく、一部になったんです” 村上龍『MISSING 失われているもの』より。以下、本稿の太字引用部分はすべて同作から。 映画が開幕しておよそ5分。たったそれだけの時間を観ただけで、これまで自分が書いてきた他のアニメ
![『君たちはどう生きるか』あるいは「少年とサギ」レビュー 宮崎駿監督の創作の源流に触れることができる一作](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b707d3d742533fe8846ace9e462571d23ce44899/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsm.ign.com%2Ft%2Fign_jp%2Fnews%2Fm%2Fmiyazakis-%2Fmiyazakis-secretive-final-movie-finally-has-an-english-name_v5ct.1200.jpg)