UNLEASH×ANONによるSFプロトタイピング特集第二回。今回は、SF研究者・分析美学者であり、最近は座談会「SFプロトタイピング未来学会議」を企画した【難波優輝氏】に寄稿いただいた。「SFは未来なんか知らない」、ただ「多岐する世界を言いまくる」のだと喝破するアツい論考を、心してお読みいただき、あなたもぜひともアツくなっていただきたい。 ─SFプロトタイピング特集編集長・樋口恭介(SF作家) SFは未来を「予測」するのに役に立つ文学なのだ、と科学的技法による未来予測の分析と評価を身上とする未来学(Futurology)は言った。なるほど、SFが描く未来にわたしたちは間違いなく魅惑されてきた。東京の都市のビル群を計算資源として活用される青々とした植物たちが覆い繁茂する。植物たちと人間が言葉の向こうでコミュニケーションを交わそうとする津久井五月『コルヌトピア』(2017年)。資本主義の加速