文部科学省が全国学力テストの実施要綱を見直し、来年度から市町村別や学校別の成績を公表できるよう改めた。 これまで禁じていたこと自体が不適切だ。適正な公表は学力向上に欠かせない。文科省の決定を評価したい。 現在の学力テストは小学6年と中学3年を対象に平成19年度から行われている。文科省は都道府県別の平均正答率(平均点)を公表しているが、市町村別や学校別については禁じてきた。自校の成績を明らかにすることは認めている。 こうした公表方式にしたのは、「順位付けされ、序列化につながる」との批判を恐れたためだ。 昭和30年代に行われた学力テストは日教組などの激しい反対運動が起き、中止された。現行の学力テストは、「ゆとり教育」などによる学力低下の批判を受け、43年ぶりに復活したが、当初は都道府県別に順位を付けるランキングにも批判が出ていた。 競争や評価を嫌う。結果をあいまいにし、責任をとらない。戦後の教