記憶は、もろいものです。写真やビデオとは仕組みも役割もちがう。周囲のさまざまなものの影響で変化します。 柳瀬唯夫氏は、官邸での加計学園の関係者との面会は認めたうえで、愛媛県や今治市職員が同席したかについては「いまでもわからない」と説明しました。記憶の一般的な特性を踏まえれば、それほど不自然には聞こえません。3年前のことで、現在は別の役職にいる。記憶があいまいでも、不思議はありません。 印象的だったのは、加計学園の件について、柳瀬さんが「総理に報告したことも、指示を受けたことも一切ない」と言い切ったことです。 面会そのものは、同席者の記憶があいまいで、特区制度の趣旨についても「そういうことを申し上げたのかなということでございます」といい、細かく覚えていないようでした。その程度の重要性だったと聞こえます。面会がさほど重要でないなら、首相に伝えたかどうかも、記憶があいまいな方が自然です。 もし本