「“一億総中流社会”を一つの好ましい事実として誇っていた日本であったが、今や中間層が減少して、富裕層と貧困層の増加がめだつ“格差社会”に入った、との認識に合意のある時代となった」。経済学者の橘木俊詔さんは著書『日本の構造 50の統計データで読む国のかたち』の中でそう語ります。 本書が教えてくれるのは、統計データを紐解くことで炙り出された日本の今と、これから直面するであろう課題です。コロナ禍の不況で真っ先に解雇のターゲットとなった非正規労働者の実態、なかなか是正が進まない男女間の賃金差の現実など、今回は本書から特別に、数字が示す“格差社会・ニッポン”についてご紹介します。 女性の賃金は男性の75%。先進諸国における格差は2位 男女間の賃金格差について、日本は世界的に見てどのような位置にいるのでしょうか。本書では国際機関、OECD(経済協力開発機構)によるデータを用いて紹介しています。その中で