最後に,麻疹のサイエンスを面白がっていたら,自分が罹ってしまった,というお話.麻疹の発症数はその後急激に減っているので,いまでは珍しい体験ということになるかもしれません.長くなったので前後編に分けます. 初夏6月,謎の病気になる 最初の兆候は筋肉痛だった.いや腰痛だったかもしれない. 体を使った覚えがなかったし,以前にインフルエンザになったときのことを思い出したので,ジムに行く前に体温を測ったら熱があった.これが,謎の病気のはじまりだった. その後のことは,もう15年も前のことで記憶がはっきりしないが,症状ごとに思い出すことを書いてみる. 熱はいったん下がるかのように思えて,他の症状が出たあとで,また上がった.再度上がったあとも上下が激しく,解熱するときは奇妙な快癒感があって,ふわりふわりと体が浮くような気がする. 厄介なことに季節が6月だった.ずっと以前に夏型過敏性肺炎というカビのアレル