手の平はかわいていた。 9月27日、マツダスタジアム。グラウンドでは、Aクラス入りが目標となった広島と、逆転優勝にわずかな望みを残す阪神が戦っていた。 夏の終わりを感じさせない強い日差しが、阪神ファンの黄色と広島ファンの赤で染まったスタンドに降り注いでいたが、グラウンドからはまるで熱が感じられなかった。両軍ともに混戦から脱落した喪失感を切り替えられないままプレーしているようだった。 開幕前に大きな期待を背負った広島は今年も優勝を逃し、Aクラス入りも難しい状況となっている。 あれだけ盛り上がったのにもかかわらず、チームに“足りなかったもの”は何か。グラウンドに視線を向けスコアブックを記しながら、頭の中で答えを探してみた。 開幕直後の7連敗は問題ではなかった。 資料に目を移せば、3月末から4月上旬にかけての●●●●●●●(7連敗)が目を引く。 開幕直後の7連敗は確かに広島の重荷となった。借金完