2. 臨機応答・変問自在 ―森助教授VS理系大学生 「先生は、どうしてこんなつまらない本を出版するのですか?」 「同感です。その疑問にはいずれ答えたい。ところで、君はどうしてどんなつまらない質問をしなければならないのですか? どうしてそんなつまらない人生を活きているのかな?」 「つまらないかどうか、生きてみないとわかりませんよ」 「まったく同感だ」 「先生、こんな質問をさせて、どんな意味があるの?」 「それは、君がどんな意味のある人間かによる」 国立N大学工学部の建築学科の教官として、建築材料や力学の授業を担当してきた。その中で学生全員に毎回質問をさせている。学生たちはノートの切れ端を破って、短い質問を提出する。それらを集め、すべてワープロで打ち直し、個々に短い回答を付ける。それを次週の授業のときにプリントで配って説明している。 (中略) それらの九十五%以上は、授業内容に関する専門的な質