総務省が28日発表した労働力調査(速報)によると10月の完全失業率(季節調整値)は3・7%と前月比で0・3ポイント低下した。男女別の失業率は、男性が0・2ポイント低下の3・9%、女性は0・4ポイント低下の3・5%だった。 失業率が低下したのは、「仕事がなく、職探し中で、すぐに仕事に就ける」ことが条件の完全失業者が前年同月比で16万人減の255万人と、7カ月ぶりに減少に転じたためだ。 急速な景気悪化で、職探しそのものをあきらめた人が増加したためとみられ、いわば「みせかけの改善」といえる。 事実、厚生労働省が同日発表した求職者1人に対する求人数を示す10月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比で0・04ポイント低下の0・80倍となり、平成16年5月以来4年5カ月ぶりの低水準となった。 景気の先行指標とされる求人倍率の大幅な悪化に、厚労省は「求人倍率の低下は、いずれ失業率上昇に跳ね返る」