いにしえの『ホールアースカタログ』と同様に、私の新刊『Cool Tools(クールツールズ)』は、自己出版した本である。この本の採算面について、そして既存の出版社を使わなかった三つの理由について説明しようと思う。 第一の利点は、速さである。9月(訳注:2013年)に執筆と編集が終わると、10月にはアマゾンで事前予約が始まった。12月第1週にはアマゾンで(書店でも!)入手可能になる。もしもこの本をニューヨークの出版社から出版していたら、今ごろはまだ契約交渉中で、本が出るのは来年の夏あたりになっていただろう。 第二には、管理。この本は型破りである。正統的な書籍の枠に収まらない。どちらかと言えばカタログみたいなものだ。本の大きさも、プロの目から見れば反発を感じる。大きくて折れ曲がりやすい本は、運搬が面倒だし、書店の棚にも収容しにくい。出版社としては、大きさを変更してくれないかと要請したくなる。さ