高層ビルの向こうに富士山を臨む東京の夕景(2011年1月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI 【8月6日 AFP】このところの世界的な経済危機が展開するにつれて、普通の人が戸惑うような逆説的な現象が起きている。 ユーロ圏は危機にひんしているといわれるが、ユーロは依然として強い。評論家は、格付け会社は同程度の負債を抱えた一部に国に対して格下げを警告しながら、その他の国は見逃していると批判する。 そして投資家は、日本が国内総生産(GDP)比で先進国随一の借金大国である事実を忘れたかのように「円買い」に走る。しかし、こういった現象を丁寧に見ていくと、今起きていることへの理解を深める上で役に立つだろう。 ■逆説その1:ユーロ高 欧州では、国際的な財政支援を受けながらも再び債務危機に直面しているギリシャに加え、イタリアとスペインでも国債利回りが急上昇し、デフォルト(債務不履