ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (13)

  •  「成功する人は偶然を味方にする」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    成功する人は偶然を味方にする--運と成功の経済学 作者: ロバート・H・フランク出版社/メーカー: 日経済新聞出版社発売日: 2017/04/14メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 以前私が書評したロバート・フランクの「Success and Luck: Good Fortune and the Myth of Meritocracy」が邦訳出版された.書は進化心理学にも明るい経済学者ロバート・フランクによる累進的直接消費税の導入の勧めにかかるである.これまでの同じテーマのである「Luxury Fever」「What Price the Moral High Ground?」「The Darwin Economy」の3冊が訳されていない中,いきなり書が訳出されるという奇妙な経緯になっていて,日人読者にはわかりにくいところもあるが,実は「累進的直接消

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    yag_ays 2017/05/18
  •  「渇きの考古学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    渇きの考古学―水をめぐる人類のものがたり 作者: スティーヴン・ミズン,<監訳>赤澤威,森夏樹出版社/メーカー: 青土社発売日: 2014/05/22メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 書は,先史持代の遺物から当時の人類の認知能力を考察,ヒトの認知の特有性としてその流動性を主張し,認知考古学を立ち上げたスティーヴン・マイズン*1によるである.当然ヒトの認知考古学に関するかと思って著者名だけみて即買いしただが,読んでみると認知に関する部分はほとんどなく,ヒトが農業革命以降どのような水管理を行い,遺跡を残してきたのかについて,一考古学者として世界中を巡って壮大に語るというになっている.原題は「Thirst: Water & Power in the Ancient World」. 序章でフーバーダムの壮麗さとその裏にあるヒトと水との関わりに触れ,世界各地の先史時

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    yag_ays 2014/10/21
  •  「アニマルスピリット」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす 作者: ジョージ・アカロフ,ロバート・シラー出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2014/01/17メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 書はアメリカの著名な経済学者,アカロフとシラーによる一般向けの経済学の解説書である.ジョージ・アカロフは,中古車市場におけるレモン問題で,情報の非対称が効率的な市場を阻害することを示したたことで有名であり,またロバート・シラーは行動経済学にも造詣があり,ITバブルやサブプライムに警鐘を鳴らしたとされ,ともにノーベル経済学賞を受賞している. 書の基的な主張は,これまで主流の経済学はきちんと計測できない,あるいはモデルに入れ込む方法がわからないなどの理由により,ケインズが洞察していたアニマルスピリット*1がマクロ経済において示す役割を無視してきたが,それは間違った態

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    yag_ays 2014/10/14
  •  「Uncharted」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Uncharted: Big Data as a Lens on Human Culture 作者: Erez Aiden,Jean-Baptiste Michel出版社/メーカー: Riverhead Books発売日: 2013/12/26メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 書はハーバード出身の2人の若手研究者の探求物語だ.2005年,ハーバードの学部学生であったエイデンとミシェルは漠然と文化歴史的な変化に興味を持っていた.そしてノヴァクやピンカーの講義に影響を受けて進化的な視点,思考方法を身につけ,ビッグデータを文化変化のリサーチに応用する方法を思いつき,それを実践していくのだ.彼等は自分たちをCulturomics(文化についての-omics,omicsにはビッグデータを扱うという趣旨を込めているそうだ)のリサーチャーだと定義している. 冒頭は,ア

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    yag_ays 2014/02/17
  •  「An Appetite For Wonder」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    An Appetite for Wonder 作者: Richard Dawkins出版社/メーカー: Harper Collins USA発売日: 2013/09/24メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (3件) を見る 書は「利己的な遺伝子」の著者として進化理論をわかりやすく啓蒙したことで有名であり,さらに最近では新無神論者の一人としても知られる,英国の進化生物学者リチャード・ドーキンスの自伝である.ドーキンスも現在72歳,いったん自分の人生を整理したくなったのかもしれない.(なおドーキンスは既に「Leaders in Animal Behaviour」というアンソロジーに自伝的エッセイを寄稿している.書ではそこに書かれたエピソードもいくつかそのまま収録されている.)書では35歳の「利己的な遺伝子」の出版までが扱われていて,いわば自伝の「上巻」に当たる.「下巻」は「2

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    yag_ays 2013/10/11
  •  「なぜ猫は鏡を見ないか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    なぜは鏡を見ないか? 音楽と心の進化史 (NHKブックス) 作者: 伊東乾出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/01/26メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (13件) を見る 書名からは,動物の自己鏡映認知にかかるだと思ってしまいそうだが*1,これは音楽家である著者が音楽質を理解しようと認知科学の力を借りながら知的奮闘してきた探求物語だ.副題には「音楽と心の進化誌」とあるが,特に進化的に何かが深く考察されているわけではない*2. というわけで「自己鏡映認知」的な書名と「進化誌」という単語に釣られて購入し,読み始めた私にとっては内容的には肩すかしのはずだったのだが,しかしこれは読み出したら止まらない,大変面白いだ. まず著者の経歴が型破りだ.著者は中学2年でバルトークの「作曲技法」に入れ込み,FM放送で現代作曲家の松村禎三の「交響曲」を聴いて惹きつ

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    yag_ays 2013/06/02
  • スティーヴン・ピンカーによるMIT講演「The Sense of Style」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    http://techtv.mit.edu/videos/20848-communicating-science-and-technology-in-the-21st-century これはスティーヴン・ピンカーによるMITの核物理学専攻の学生たち向けの講演ヴィデオだ.製作はMIT Tech TV.ピンカーの次の著作はより良い文章の書き方にかかるで,仮題が「The Sense of Style」.今回講演で語られるのはこののエッセンスの一部となると紹介がある.それは大変楽しみだ. 講演の概要 《始めに》 サイエンスコミュニケーションは現代においてますます重要になっている,それは以下のような理由による. 進化,地球温暖化,ワクチン,核エネルギーなどの問題について一般の人々の理解が重要になってきている.(ここで進化が最初に来るのは,ピンカー自身進化についての専門家であることに加え,アメリカ

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    yag_ays 2012/11/17
  •  「遺伝子医療革命」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    遺伝子医療革命 ゲノム科学がわたしたちを変える 作者: フランシス・S・コリンズ,矢野真千子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/01/21メディア: 単行購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (12件) を見る 書は分子遺伝学者フランシス・コリンズによる遺伝子医療の最新知見・動向を一般読者向けにわかりやすく紹介した啓蒙書である.原題は「The Language of Life: DNA and the Revolution in Personalized Medicine」.コリンズはヒトゲノム計画の代表を務めたこともあるこの分野の大立て者の1人であり,このような内容のの著者としては最もふさわしい人の1人だろう.なおコリンズは前著「The Language of God: A Scientist Presents Evidence for Belief」

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    yag_ays 2012/07/19
  •  E. O. Wilsonの新刊「The Social Conquest of Earth」についてのRichard Dawkinsによる書評:「The Descent of Edward Wilson」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    E. O. Wilsonは,アリについての世界的権威であり,学問分野の統合を主張する巨人であり,70年代の社会生物学論争の一方の主人公(というか被害者)であるわけだが,最近ではD. S. Wilsonのグループ淘汰理論の論文や,Martin Nowak et al.のNatureに載せられた包括適応度理論をこき下ろす悪名高い論文の共著者になっている.おそらく,これらの論文の主要なところはD. S. WilsonやMartin Nowakの手によるもので,E. O. Wilson自身は(理論的な諸問題への理解が怪しい中で)それに賛同して,社会性昆虫についてのコメントを担当しているということなのだろう. いずれにせよE. O. Wilsonは「血縁淘汰・包括適応度理論を否定してグループ淘汰理論で真社会性を説明する」というのが自分自身の理論的な立場だと理解していると思われる.私はまだ読んでいない

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    yag_ays 2012/06/01
  • 読書開始 「Genes in Conflict」 第1章 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Genes in Conflict: The Biology of Selfish Genetic Elements 作者: Austin Burt,Robert Trivers出版社/メーカー: Belknap Press of Harvard University Press発売日: 2006/01/15メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 68回この商品を含むブログ (89件) を見る まだNarrow Roadsの書評は作っていませんが,次のお勉強としてRobert TriversとAustin BurtのGenes in Conflictの読書を開始してしまいました. Trivers博士は自伝的要素も含む教科書「生物の社会進化」を早くに出版しているし,また論文集「Natural Selection and Social Theory」を2002年に出している.これらは

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    yag_ays 2012/05/27
    「せめぎ合う遺伝子」読書ノート
  •  「Genes in Conflict」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Genes in Conflict: The Biology of Selfish Genetic Elements 作者:Burt, Austin,Trivers, Robert発売日: 2006/01/15メディア: ハードカバー 濃密な書物である.書の1章1章に通常のの一冊分の情報が詰まっていると思う.そういう意味では大変なお買得であり,私も半年ほど楽しませてもらった. 書における利己的な遺伝要素という言葉の定義は,「個体に害を与えてもその遺伝要素自体にとって有利なために遺伝子プールに広まるような遺伝要素」である.ドーキンスの言う通常の利己的遺伝子は個体にとって有利であってもよいわけで,さらにその特殊な例である.このような遺伝要素については,すでにドーキンス自体が,ジャンクDNAの説明(これ自体は個体にとってほぼ中立的ということだが)や減数分裂比歪曲遺伝子の説明として紹介して

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    yag_ays 2012/05/27
  •  「せめぎ合う遺伝子:利己的な遺伝因子の生物学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    せめぎ合う遺伝子 -利己的な遺伝因子の生物学- 作者: Austin Burt,Robert Trivers,藤原晴彦,遠藤圭子出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2010/04/06メディア: 単行購入: 3人 クリック: 146回この商品を含むブログ (6件) を見る 以前私がレビューしたの訳書が出版された. この原書「Genes in Conflict」は様々な利己的な遺伝因子についてので,ゼロ年代後半に読んだではもっともエキサイティングだったといってよい.の種類としては教科書ではなく,普通の啓蒙書だが,記述は非常にハイレベルであり,相当程度の基礎知識が要求される作りになっている.これを出版した共立出版には惜しみない賛辞を送りたい. 私の書評はhttp://d.hatena.ne.jp/shorebird/20061127,読書ノートはhttp://d.hatena.ne

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    yag_ays 2012/05/27
  •  「The Folly of Fools」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    The Folly of Fools: The Logic of Deceit and Self-Deception in Human Life 作者: Robert Trivers出版社/メーカー: Basic Books発売日: 2011/10/25メディア: ハードカバー購入: 3人 クリック: 61回この商品を含むブログを見る 書は互恵的利他行為,親の投資,コンフリクトなどの数々の啓発的な進化理論を主導したことで知られる進化生物学者ロバート・トリヴァースによる自己欺瞞についてのだ.トリヴァースは「動物の信号が(ドーキンスのいうように)他者への操作のためだとしたら,それは相手側に嘘を見抜くような対抗進化を生じ,さらに操作側に見破られないための自己欺瞞が進化するだろう」というアイデアを最初に思いつき,それを1976年のドーキンスの「利己的な遺伝子」初版の序文で提示したことで知られて

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    yag_ays 2012/05/27
    "ロバート・トリヴァース"
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