拘置所にいる被告に裁判資料を渡そうとしたら土曜日だという理由で拒まれたのは違法だとして、被告の弁護人が国に約12万円の賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。島崎邦彦裁判長は「接見交通権の重要性を踏まえると対応は違法」と認め、国に2万2千円の賠償を命じた。 【写真】東京地裁 判決によると、弁護士は2020年2月、一審で有罪判決を受けた被告と東京拘置所で面会。直後に、控訴する理由を記した控訴趣意書の案を差し入れようとしたが、職員に「土曜日はできない」と拒まれた。 裁判で国側は「開庁日の執務時間以外は差し入れを検査する担当職員がおらず、対応できない」と反論した。しかし判決は、趣意書の提出期限が迫っていて早く確認を求める必要があったうえ、「裁判所に出す書類というのは明らかで、検査も容易だった」と指摘。容疑者や被告と弁護人の自由な面会を保障した接見交通権を踏まえ、対応の違法性を認めた。