「コードブルー」という番組を見た。ネットに泣かせる話と書いてあったが、子供の心臓移植を待っている医師家族の姿は、確かに胸にジーンときた。しかし、私はこの番組の中に隠された意図を感じた。単なる救急ヘリの物語ではなく、今の医療の抱えている課題に刃を向られているような気がした。 (1) 番組の中で、「いつから医者は大丈夫と言えなくなったのか?」「医師の笑顔が、手術や薬よりも患者さんを救うこともある」(正確な表現ではないかもしれないが)と語る部分があった。私が臨床医をしている頃、末期がん患者さんに対して「大丈夫ですよ。もう少ししたら元気になりますから」と笑顔で語りかける場面が少なくなかった。しばらくして、患者さんから、笑顔で励ましを受けたことを感謝するお手紙を頂いたが、今でも、それを大切に保管している。 がんとは告知しない時代であったが、進行して一定の段階に達すると隠せるはずもない。しかし、阿吽の