昨年から今年にかけて大きな注目を集めた国連スキャンダルがある。停戦監視ミッションのために派遣された外国兵による人権侵害事件に対し、スウェーデン人の国連職員がその解決のために早急な行動を取ったにも関わらず、彼の所属する組織がその行動を良しとせず、彼を辞職に追い込もうとした事件である。国連の組織のあり方に疑問を投げかける大きなスキャンダル事件となった。 スウェーデン出身の国連職員はアンデシュ・コンパス(Anders Kompass)という、現在60歳の男性だ。若い時からラテンアメリカに興味を持ち、最初の頃はNGOの現地スタッフとしてフィールドで働きながら経験を積み、その後、スウェーデン外務省や国連に採用され、ラテンアメリカの貧困改善や紛争仲介に携わってきた人物である。 アンデシュ・コンパス(Anders Kompass) <写真の出典: Dagens Nyheter 2015-11-27> 2