地球温暖化の進行で顕著になっている干魃(かんばつ)が今世紀中にさらに深刻さを増し、異常な干魃状態が世界各国で常態化するとの予測を、国立環境研究所や東京大などの研究チームが28日、発表した。こうした予測は世界初。日本は予測された地域に含まれていないが、輸入に頼っている食糧の確保が困難になることが懸念され、影響は避けられないという。 5年以上にわたって過去最大を超える干魃が続くと予測された地域は、主に南米や北米、地中海沿岸の欧州や中東、アフリカ、オーストラリアなど。乾燥で水不足が深刻化し、飲料水確保だけでなく、農業や工業への悪影響のほか、病気の蔓延(まんえん)なども懸念される。 1865~2005年に全世界の河川で生じた干魃のデータを基に、今後の気温上昇や大気循環の予測システムも利用し、1年のうち河川が干上がるなど水量が極端に減る日数が、過去最大を超える年が5年以上続く事態がいつどこで起きるか