組織犯罪処罰法改正案が2017年5月23日に衆院を通過し、参院に送られた。同法案で新設される「組織的な犯罪の共謀」が、いわゆる共謀罪である。自民、公明、維新は、法案の一部を維新による提案(取り調べの可視化やGPS捜査の制度化への検討)によって修正したので賛成の立場である。一方、民進、共産などは強硬に反対している。 共謀というのは英語で「conspiracy」と言うくらいであるので、海外にも存在する概念である。それを罰する法制度があるのが通例だ。ところが、日本ではなかったので創ろう、というのがそもそもの発端だ。ただし、日本では初めてなので過去の政権が手こずった難問だ。 「あわてんぼうの誤り」と「ぼんやりの誤り」 反対派の言い分は、「一般人が対象になり得る」「警察などの捜査権限が拡大し、公権力による監視が強まる」という。一方、賛成派は「そうした懸念はわかるので、その弊害を少なくして、海外並に共