ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/rebelpepper (7)

  • 中国政府が新たに始めた「外国人差別」の脅威

    中国政府が都市部で試行を開始した外国人の労働許可制度は、人材を3つのランクに分類して管理する「差別的」な仕組み> 1958年1月9日、毛沢東は「中華人民共和国戸籍登記条例」に関する主席令にサインし、この法律を公布した。中国人の戸籍を都市と農村の2つに分け、移住の自由を制限し、当局の許可がないまま元の居住地を離れた農民が「盲流」と呼ばれ、政府によって逮捕あるいは強制的労働教養所送りにされる制度だ。この時から農民は自由を失い、土地にしばりつけられた1ランク下の「賎民階級」となってしまった。改革開放後の数十年間で戸籍制度は何度も改革されたが、都市と農村という二元構造の質はまったく変わることがなかった。中国が抱える都市と農村の隔絶、大き過ぎる貧富の格差という問題の根っこはここにある。 人をランク付けするこの種のやり方は重大な人権侵害だ。しかし戸籍制度のある社会で長く暮らし過ぎたため、中国人の感

    中国政府が新たに始めた「外国人差別」の脅威
  • PM2・5襲来に習近平がクールでいられるのは

    <北京をはじめ中国の都市部は、環境基準をはるかに超える数値のPM2.5に襲われている。中国政府は、これだけひどい大気汚染を「気候災害」と位置付けようとしていて、人々もだんだん感覚が麻痺して「天災」と見なすようになってきている> PM2.5は空気中にある直径2.5マイクロメートル以下で、呼吸によって肺に入り込む微粒子状物質だ。PM2.5は人間の排出行為によって発生し、主に燃焼過程で生まれる。PM10(直径約10マイクロメートル)の粒子は鼻腔内の鼻毛によってい止められるが、PM2.5は普通のマスクでは完全に防ぐことができない。微粒子状物質の吸着した化学物質が肺胞に侵入して、呼吸系を回復不能に傷つけるだけでなく、心臓や血管と神経系に悪影響を与える。WHO(世界保健機関)の環境基準によれば、PM2.5指数は10(1立方メートルごとに10マイクログラム)以下が安全値。ところが、中国の多くの場所のP

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  • 「核心」習近平が向かう終身独裁者への危うい道 | 辣椒(ラージャオ、王立銘) | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    中国の指導者の中でも最高位の呼称「核心」を自分に対して使わせるようになった習近平は、かつて毛沢東が歩んだ終身独裁者への道を歩みつつある> 2016年10月27日は習近平にとってかなり重要な1日だった。共産党の機関紙「人民日報」は党の重要会議「6中全会」閉幕を伝える社説の中で、正式に「習近平同志を核心とする党中央」という表現を使った。 「核心」は中国政治の中でとても大きな意味がある言葉だ。中華人民共和国の創建した第1世代の指導者で、独裁者でもあった毛沢東にしてみれば、「核心」の肩書を持つ者は自分一人で十分。ところがその後任者の鄧小平は、自分の呼称に「鄧小平を核心とする党中央」という言い方を使い、さらに後継者として江沢民を指定した後、この称号を江に贈った。しかしその後任の胡錦涛は権威が足らず、江は胡にこの称号を授けなかった。習近平が自分で「核心」の帽子をかぶり始めたことは、彼が「皇帝の夢」へ

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  • 南シナ海問題で憤る共産党の本当の敵は誰なのか

    <南シナ海を領海とする中国の主張を否定した仲裁裁判所の判断に中国政府は強硬に反発。しかし奇妙なことに各部門は国内向けの「戦時状態」に入ったことを通知した。共産党政府が当に恐れているのは、愛国主義の熱にうなされた国民の抑制がきかなくなることなのだ> 2016年7月12日、国際仲裁法廷が裁定結果を公表した。5人の仲裁員は全員一致で国連海洋法条約上、「九段線」の「歴史的な権利」に基づく中国の南シナ海の天然資源に対する権利は認められないと結論づけた。裁判所はまた中国の南シナ海における埋め立て工事が環境に取り返しのつかない損失を与えたとも判断。中国政府に南シナ海における行動を停止するよう求めた。 南シナ海問題は一時的に中国社会で最も注目される話題になった。共産党政府は裁定が出る前から強硬な態度を示し、7月5日から11日の間、海南島の南方にある西沙諸島付近で軍事演習を実施。12日に裁定が出ると、共産

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  • イギリス国民投票に中国共産党が衝撃を受ける理由

    <国政上の重要な決断を国民投票で決めたイギリスのEU離脱は、中国人にとって驚きの事件。一方、村民選挙で選ばれた広東省の村長に関して汚職事件が「捏造」される中国では、民主化への道はまだはるかに遠い> EU離脱を問うイギリスの国民投票は、中国のネットでも大きな注目を集めた。開票が始まった直後は票数が接近し、その後離脱と残留が何度もリードを奪い合ったが、次第に離脱が残留を引き離し始め、最後は離脱が勝利した。これはわれわれにとってとても意義のある政治的な出来事、そして重大な決断だ。政治家が決断できない状況で、すべてを国民の票決に委ねる......中国人にとって衝撃は大きい。イギリスの首相は直ちに辞任を発表し、演説でこう述べた。彼自身は離脱に反対だが、国民がはっきりと別の道を選択した以上100パーセントその決断を尊重し、離脱手続きがスムーズに進むよう責任を持って努める、と。 このような政治文化を多く

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  • 中国が忘れた「北風と太陽」の教訓

    私はつい先日、台湾で初の女性総統が誕生するのを自分の目で見てきたばかりだ。独裁国家・中国から国外に「亡命」した華人の1人として、台湾の人々が自分たちの投票で今後4年間の指導者を決めるのをとても感慨深く、またとてもうらやましく見つめた。 選挙前には、台湾の選挙情勢に影響を与える重大な事件が発生した。韓国で人気のある台湾女性アイドル周子瑜(チョウ・ツーユィ)が、出演した韓国テレビ番組の中で中華民国国旗を掲げたことを、同じ台湾出身で中国で活動する歌手の黄安(ホアン・アン)が「周子瑜は台湾独立を支持している」と微博(ウェイボー)で告発。黄安と愛国ネットユーザーの攻撃で、中国テレビ局が彼女が所属するグループの出演停止を宣言し、周子瑜の所属する韓国の芸能プロは中国市場を失わないため、この16歳の少女にテレビ中国人に向かって謝罪させた――のだ。 これはISIS(自称イスラム国、別名ISIL)の人質

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  • 金正恩にビンタを張られた習近平

    このビンタはいったい誰の顔に向かって放たれたのだろうか。 北朝鮮が今月2日に「8日から25日の間に『光明星号』を発射する」と発表した後、米高官は北朝鮮が弾道ミサイル技術を利用して発射することは国連安保理、中国そして国際社会の軽視であり、北朝鮮への追加制裁に反対する国へのビンタだ、と発言した。3日、中国外交部のスポークスマンはアメリカに対してこう反論した。「6カ国協議が中断し、一部国家が圧力と制裁を叫ぶ中、北朝鮮は核実験を始め、その後も実験を重ねてきた。その意味では、北朝鮮は確かにある国家に対してビンタを放ったと言える。それが誰の顔に向けられたものだったのかは、ビンタを受けた者だけが知っている」 北朝鮮は7日、人工衛星「光明星4号」を発射した。この人工衛星を載せたミサイルの射程は約1万3000キロで、理論上ではアメリカ大陸のどんな場所にも到達できる。しかし、一方で今回発射された軌道は中国沿岸

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