海外からの投資が過熱する日本有数のスキーリゾート地ニセコでは、いまコスト高騰などが原因で手を引く開発業者が増えている。 米誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」が、開発計画を断念したニセコの事業者たちに話を聞いた。 開発コストは10年前の「3倍」 近年、ニセコから巨額の利益を得ようとしている開発業者らの思惑が外れつつある。海外の投資家たちからの投機により、日本の地価が史上最大レベルに高騰しているからだ。 ニセコで何年間も働いてきた開発業者たちによると、10年前と比べて開発費用が3倍にも跳ね上がったという。この2年間だけでも約30%もの値上がりだそうだ。銀行からの融資が難しくなったことや、行政が大規模な開発を制限したこともあり、新規投資のハードルは高くなっている。 「いまニセコに投資する人は、かなりのチャレンジャーです」と、ニセコの不動産会社ニセードの創業者ジョナサン・マーティンは語る。