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ブックマーク / note.com/shinshinohara (10)

  • その「食品ロス」は本当に食品ロスなのか?|shinshinohara

    品ロス削減に熱心な学生が演壇に上り、「農家の現場ではまだ十分べられる野菜が大量に捨てられているのを見てショックだった、これを売ってべれば品ロスは減らせる。規格に合った野菜だけを売るのはおかしい」と訴えていた。会場にいる人達もウンウンとうなづいていた。 そんな中、私に話が振られた。「実は規格外の野菜を出荷しようとすると品ロスが増える」という話を始めた。 「曲がったキュウリは箱の中にうまく収納できず、輸送中にガサゴソ動く。するとスーパーに届く頃には傷だらけになる。かたや、真っ直ぐなキュウリは隙間なく詰められるから傷つきにくい」 「トマトが数個ずつパックされてるのは、プラスチックとラップなどの資源無駄遣いに見えるかもしれない。けれどああでもしないと、日の柔らかくて傷つきやすいトマトを店にまで届けることができない。」 「傷ついてもいいじゃないか、と思われるかもしれない。けれど傷ついた野

    その「食品ロス」は本当に食品ロスなのか?|shinshinohara
  • 西洋が世界最強に躍り出たキッカケ、十字軍|shinshinohara

    もしこの事件が起きなければ、西洋が世界を牛耳ることもなかったかもしれない。世界中で侵略を重ね、各地に植民地をもち、科学技術を発展させ、今も世界をリードし続ける存在にはなれなかったかもしれない。この事件が西洋を目覚めさせ、世界最強の地域に変貌させることになった。それが十字軍。 十字軍が起きる前、西洋は世界でもとびきり技術が遅れていた地域だった。というと、不思議に思われる人もいるかもしれない。西洋は古代ギリシャ・古代ローマ帝国の時代から、世界最先端地域だったはずではないか、と。ところが中世ヨーロッパは、一時、石器時代にまで技術が後退していたといわれる(※技術を残した地域もある)。 確かに古代ローマ帝国が健在だった頃は、世界最先端地域だった。ところが4世紀にゲルマン人の大移動が起きて、帝国が崩壊すると、あれよあれよと文明も技術も失われてしまった。「連鎖倒産」が起きたからだ。 ゲルマン人達はローマ

    西洋が世界最強に躍り出たキッカケ、十字軍|shinshinohara
  • 「いじり」は笑いを提供しているのではない、嗤いで人々を支配したいだけだ|shinshinohara

    ビートたけしに始まり、ダウンタウンが引き継いだ「いじり」という手法は、集団を「嗤(わら)い」で支配できるということを子どもたちに示してしまった面があるように思う。 頭の回転がよく、言葉巧みな強者は、特定の人間を「いじられキャラ」に仕立てることで嗤いを生む。この場合、 いじられキャラと目された人間は、他のポジションを要望する自由を奪われる。もし拒否すれば、「笑いがわかってない」「せっかくお前が主人公になれるようにしてやったのに」と恩着せがましさを見せながら相手を罵り、それでも拒否するなら集団から排除する。「おもんねーヤツ」とレッテルを貼って。 こうした強者は空気を支配するのがうまい。大学のサークルの新歓コンパで、そうした先輩がいた。新人に自己紹介をさせたあと、ビールを何杯も飲ませて酔い潰させていた。さて、私の番。ビールを飲み干し、コップを頭の上で逆さにし、「あー、うまかった」と言ってそのまま

    「いじり」は笑いを提供しているのではない、嗤いで人々を支配したいだけだ|shinshinohara
  • 体験欠乏症|shinshinohara

    お金もらうわけにいかないし、晩飯だけべさせて」という約束で家庭教師をしていたことがある。指導することになったその子の状況について、家族全員に説明していたところ、その子の妹が不思議そうに「なんで文章みたいに話せるの?」と聞いてきた。 その家族の会話は、ほとんど単語で終わっていた。「ねえ、○○は?」「おい、△△しろ」その場の状況から察することができるから、単語で事足りる生活をしていた。状況から察する能力があるのだから、頭は悪くない。ただし、言葉を鍛えられる環境にはなかった。 もちろん家族の誰も、を読む習慣がなかった。「文章」と出会うのは、学校の教科書くらい。そんな生活環境の中で、私のように「文章」のように論理を組み立ててしゃべる人と出会って、その妹は驚いたようだ。 そのような生活環境で言葉を鍛えることができるかというと、難しい。言葉を鍛えなければ、学校の勉強についていくのも難しくなる。何

    体験欠乏症|shinshinohara
    yamamototarou46542
    yamamototarou46542 2023/11/24
    甘えるなカスが・・・配られたカードで勝負しろ、って利根川先生なら言いそう
  • 関係性から考えるものの見方・・・社会構成主義|shinshinohara

    (ずいぶんと堅苦しい名前だけれど)社会構成主義の考え方、結構面白い。 アメリカでは中絶問題で世論が真っ二つに割れている。賛成派と反対派で議論すると、互いに相手の主張のおかしいところを攻撃し、自分の主張の正しさを訴える。話は平行線に終わり、関係性は断絶したまま。ところが。 リクツを戦わせるのをやめ、なぜ自分が中絶に反対するようになったのか、あるいは賛成するようになったのか、そのきっかけとなった個人的体験を語ってもらったところ、お互いに「ああ、そういう体験があると、そういう意見になるのは当然だよな」と理解と融和が進んだという。 この現象は興味深い。リクツというのは一見論理的で、論理的だからこそ普遍的なものだという思い込みがある。その普遍的なリクツから言えば相手の意見は非常におかしく矛盾に満ちていて、自分の理論こそ正しい、としか思えない。しかし相手は相手で同じことを考えている。ここに断絶が生じて

    関係性から考えるものの見方・・・社会構成主義|shinshinohara
  • 「問いかけ」、「能動性が出現した奇跡に驚く」|shinshinohara

    私が「驚く」ようになったのは、ある学生との出会いがきっかけだった。その学生はすでに2回も卒業の機会を逃していた。卒論の時期になると大学に来なくなるから。 その学生は、何を問いかけても気のない返事。「はあ」「わかりません」意欲や能動性というものが一切欠如していた。 それまでの指導教官によると、あまりにも無気力なので仕方なく、あれをやれ、これをやれと指示を出すのだけど指示以下のことしかできず、しかも来なくなるのでお手上げだったという。私は、能動性、意欲を取り戻さないと話にならないと思い、まずはそれらを取り戻すことから始めることにした。 とある実験結果を示し、「これ、何か気づいたことある?」と尋ねた。「わかりません」という無気力な返事。しかしそれは織り込み済みなので「うん、僕もわからない。何しろ僕も初めて目にする結果だから。分からない者同士、気づいたことをともかく列挙してみよう。ここはどうなって

    「問いかけ」、「能動性が出現した奇跡に驚く」|shinshinohara
  • 男女の別なく深刻化する孤老化の問題|shinshinohara

    女性宇宙飛行士となった山崎さんの夫の手記を読んだことがある。山崎さんが宇宙飛行士になれるよう、専業主夫になったけど、自分の名前を呼んでもらえず、「山崎さんのダンナさん」「○○ちゃん(娘)のお父さん」としか呼んでもらえなくなったという。すると。 精神的に非常に不安定になったという。それまでは自分も会社に所属して、どこの部署の何々さん、と、自分の「座標」を確認でき、人とのつながりも直接的に感じることができたのに、と娘を通じてしか社会とつながれず、自分の座標を見失い、宇宙空間に放り出されたような不安な感覚になったという。 家族がいてもそれだけ不安定化するのに、もし独り身だったとしたら。誰でも不安定になって不思議ではない。まだ働いているうちは会社の中で自分の座標を確認できる。しかし定年退職し、社会とのつながりを失うと、自分の座標を確認することは非常に困難になるだろう。 孤独な高齢者が増えている。

    男女の別なく深刻化する孤老化の問題|shinshinohara
  • 「分割して統治」された日本|shinshinohara

    欧米には「分割して統治せよ」という統治術がある。ベルギーはルワンダを植民地にしたとき、鼻の高さなど些細な違いを理由にツチ族とフツ族に分け、片方を優遇することでいがみ合わせた。これが後の虐殺を生む原因ともなった。 国の内部でいがみ合わせると、統治者への憎しみが分散する。 「まさか」と思いつつも、もしかしたら日で「競争原理」を流行させ、正社員と非正規社員とに分断し、いがみ合わせ、労働者がまとまらないように仕向けたのも、日の活力を奪い、その間に漁夫の利を得る「統治者」による現代的な「分割して統治せよ」なのかもしれない、という気がする。 日の強みは労働者が強いことだった。しかも会社への忠誠心も厚いという特徴があった。戦後、労働運動が盛んで会社と労働組合との衝突が絶えない中、カネボウは企業と労働者は同じ船に乗る運命共同体だとした(労使運命共同体論)。ここから、労使協調して企業の発展に尽くすとい

    「分割して統治」された日本|shinshinohara
    yamamototarou46542
    yamamototarou46542 2023/05/02
    こんな怪文書を「読ませる」とか言ってる人は一体どのような理由でそういう判断をしたのか教えていただきたいところだ。それこそ釈然としない
  • 竹中平蔵氏はひどく賢い|shinshinohara

    竹中平蔵氏はひどく賢い人だと思う。「頑張る人間には報い、そうでない人は淘汰される、それが競争社会、これからそれがますます加速する」と主張。この論理は実に巧み。高給をもらっている人は「自分が頑張っているからだ」と自信を深める。貧困にあえぐ人は自分に力がないからだと自らを責める。 しかし有能だとされて高給をつかむのはごく一部。そうでない人は派遣社員や契約社員などになるしかなく、正社員でも給与水準を下げられ。こうすると、高給取りと正社員と派遣・契約社員とが互いにいがみ合う。労働者同士で反目し合う。「協働」が難しくなってしまう。 「これから競争社会になる」と言えば竹中氏に非はなく、世の中が勝手にそうなるのだと、世界のせいにできる。 こうした構造を作った上で、派遣会社の会長におさまり、派遣社員から上前をはねて自分の収入にする。実に賢い。 また、労働者同士がいがみ合い、反目し合う中で、株主への還元をや

    竹中平蔵氏はひどく賢い|shinshinohara
    yamamototarou46542
    yamamototarou46542 2023/04/30
    竹中はキャラクターとしてもわかりやすいから元凶と見られやすいのだろう(まあ実際悪人なのだろうけど)。自民党・公明党の政治家や霞が関の官僚、それと大企業の経営者は竹中のおかげで助かってるだろうね
  • 官邸主導の弊害|shinshinohara|note

    ある人と喋っていて「農林水産省さえ動かせば国が動くと思ったが駄目だった」という話があった。二昔ほど前だったら農林水産省を動かせば国を動かせたかもしれない。しかし今は無理。官僚の練り上げた政策を政治家が取り上げることがほぼなくなってしまったから。 官邸主導ということで政治家が政策を決定するようになっている。このため政治家が気に入らなければ官僚の提案はまるで無視されるようになった。他方、政治家の思いつきのアイデアが政策になり、それがあまりに粗雑で問題含みでも、官僚は怖くて忠告できなくなった(忠告した者は飛ばされた)。 そして、政治家はお気に入りの人間からしか意見を聞かないものだから、現場で起きてることを政治家の耳に届けようとしても馬耳東風。そんなシステムになってしまっている。いまや省庁に陳情に行っても取り上げてもらえるとは考えない方がよい。一応、首相が変わって風向きは変化してるのだけど。 政治

    官邸主導の弊害|shinshinohara|note
    yamamototarou46542
    yamamototarou46542 2023/01/14
    そりゃ官僚は別に国民の代表者でも何でも無いからね/政治家が面従腹背の官僚を使いこなすために内閣に人事権を集約している(国民の代表者たる政治家が官僚を統制・指揮監督するのは当たり前のこと)のだが
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