「あかんて、泣くわこんなん」 それが最初の一言。 コミカルで楽しく、時折笑い声が巻き起こる。そして、終盤はすすり泣く声も聞こえてくる。そして、エンディングロールが終わり明かりが灯るまで誰一人として席を立つことなく、しぜん客席から拍手が巻き起こった。 ぼくはこの作品の魅力を言語化してみようと思うが、心の中が掻き乱されてしまっていて、うまく言葉がでてこない。 ひとつ、言いたいのは、この映画はプロパガンダ的な反戦映画ではないってこと。 第二次世界大戦のさなか、人々はどんな風に生活を送っていたのか、どんな風に日常を繋ぎとめようとしていたのか。 youtu.be 少女「すず」が育ち、嫁ぎ、嫁いだ先での呉の街での生活。 人々の生活は確かにそこにあって、当時の日本の匂いが、建物の感触が伝わってくるのだ。 この作品、ぼくは一年前にクラウドファンディングの申し込みが終わった頃にその存在を知った。そして、監督