野党共闘路線がなかなかうまくいかない理由はいろいろあって、安全保障にかんする考え方の違いが大きいと思うが、それ以前に、何十年もの間、他の党を政権共闘の対象とみなしていなかった実績がある。一時期、「オール与党」という言い方もされたが、共産党以外は野党を名乗っていても実際は与党と同じだと位置づけられたわけだ。そんなことを何十年も言われてきて、突如として共闘しようと呼びかけられ、それにちゅうちょするとまた批判されるというのでは、あまり気持のよいものではない。 そういう共産党の対応が始まったのは、それなりに理由がある。1970年代まで、共産党は、日米安保条約廃棄などの一致点で社会党と民主連合政府をつくるという構想を持っていた。しかし1980年、社会党が公明党との間で政権合意を結び、共産党とは手を組まないことを明確にしたことにより、社会党との政権共闘路線は現実味を失い、共産党は党自身を強化することで