そこで、参考になるのがこの書で取り上げている「法則6:20秒ルール」(変化へのバリアを最小化して悪い習慣をよい習慣に変える方法)だ。エイカー氏は「人間は単なる習慣のかたまり」という、アメリカ心理学の祖、ハーバード大学の故ウィリアム・ジェームズ博士の言葉を引用しながら、20秒程度のちょっとした手間をかけることで生活習慣を大きく改善することの有効性を説明している。 例えばエイカー氏は、朝の運動を習慣化するべく、トレーニングウェアと靴下を着たまま寝て、起き抜けに「運動しようかどうしようか」と迷う気持ちを追い払うことに成功したという。習慣にしてしまうことは、目標を設定することと同様、「やろうかどうしようか」をめぐる数限りない選択肢(「やってどうなる?」「どうやってやろうか?」「別のことをやったほうがいいか?」など)を減らす。その結果、頭の中で次から次へと迷ってエネルギーを使い果たすことなしに行動で