子宮がなくても出産を望んでいる女性への子宮移植について、産婦人科医らでつくる「日本子宮移植研究会」が17日、国内での実施に向けた指針をつくることを決めた。海外では取り組む国もあり、指針が完成すれば、日本でも一定のルールのもとに道が開かれることになる。 動物実験などの研究を進めてきた慶応大と東京大、京都大のチームが指針のたたき台をまとめ、17日公表した。チームのメンバーは研究会にも所属している。研究会は、新たに設ける予定の倫理委員会でたたき台の内容を検討し、正式な指針を作成する。 たたき台には、①移植を受けるのは生まれつき子宮がなかったり、がんなどの治療で子宮を摘出したりした女性を想定②子宮の提供者は、移植を受ける女性の母親らのほか、心停止した女性や脳死となった女性を想定③提供は自発的な意思によらなければならない④営利目的による子宮の売買あっせんを禁止する――などが盛り込まれた。 指針ができ
蘇生医療の現場では、「脳波が平坦になったあとでも、数時間は意識が存続する」と見られる現象が報告されている。蘇生医療の専門家で「死後体験」の研究者でもあるサム・パーニアに、新刊について語ってもらった。 Image: Emilio Labrador/Flickrサム・パーニアは蘇生医療の専門家だ。死の淵から人を助ける仕事だが、蘇生した人たちは時折、物語を持ち帰ってくる。意識に関する、従来の科学的な概念に挑戦するような物語だ。 蘇生医療は、鼓動が止まった心臓を復活させるための医療処置「心肺蘇生法(CPR)」が採用されるようになった20世紀の中ごろに始まった。当初は、CPRが有効なのは心停止から数分間だったが、医療技術の進歩により、その時間は30分を超えるまでになった。 新しい手法とともに、「生と死の狭間」はさらに拡大している。そして蘇生した人々からは時折、従来考えられてきた事柄を否定する体験が報
家族が脳死になり、臓器提供の意思表示をしていなかった時、あなたはどうするか――。4割が提供に「承諾する」と考えていることが、内閣府の「臓器移植に関する世論調査」で分かった。自分が臓器提供するか否か、意思を示している人は1割程度だった。 調査は、全国の20歳以上の3千人を対象に今年8〜9月に行い、1855人から回答があった。 2010年の臓器移植法改正で、書面での意思表示がなくても、家族の承諾があれば、小児を含む脳死の人から臓器提供ができるようになった。法改正後、初の調査で、こうした内容を約7割が「知っている」と回答した。 続きを読む最新トップニュースこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら
国立成育医療研究センター(東京都)は4日、今年6月に富山大病院(富山市)で、国内で初めて6歳未満で脳死と判定された男児から肝臓移植を受けた10歳未満の女児が同日、退院したと発表した。 肝不全だった女児は6月15日から同16日未明、男児から提供された肝臓の移植手術を受けた。肺炎などを患ったが、強い拒絶反応はなく順調に回復。退院後は1、2カ月で学校に通えるようになるという。 女児の家族は「ドナーさん、ご家族の方々はじめたくさんの方たちの力をお借りして、今日という節目を迎えられた。命をつないでいただいたことに改めて、感謝いたします」などとするコメントを寄せた。主治医で同センターの笠原群生(むれお)臓器移植センター長は「小児の脳死の臓器移植はまだ少ないが、今後も多くの子どもたちが助かるように(移植の)数を積み重ねていきたい」と話した。
脳死と判定された6歳未満の男児からの臓器摘出手術が行われた富山大病院=富山市で2012年6月15日、小松雄介撮影 富山大病院(富山市)で、改正臓器移植法に基づき初めて脳死と判定された6歳未満男児からの脳死移植で、同病院がこの男児について、児童相談所に虐待の有無を照会したところ、個人情報であることを理由に、いったん回答を断られたことが関係者への取材で分かった。同法では18歳未満の臓器提供について、虐待がないことを条件としている。重要な確認手段である児相との連携がつまずきかけた形で、小児からの脳死移植での課題が浮かび上がった。【畠山哲郎】 同法で認められた15歳未満からの脳死移植は2例目だが、病院と児相の連携で問題が明るみに出たのは初めて。 男児は今年6月初旬、脳に十分な酸素が行かずに機能が損なわれる低酸素性脳症を発症。同月7日、主治医から「重篤な脳障害をきたしている」と告げられ、家族が臓器提
→紀伊國屋書店で購入 「家族の同意による「脳死」臓器移植のおかしさ」 平成22年7月、改正臓器移植法により15歳未満も含めて家族の承諾で「脳死」での臓器提供が可能となった。あれから約2年。この間の15歳以上の提供は89例と急増したが、15歳未満は今回を含めて2例。移植を待つ側の思いはわかる。海外への移植ツアーを聞くにつけ、なぜ国内で解決できないのかというジレンマもわかる。だが、誰かに移植される臓器があるのであれば、同時に奪われる命があることを忘れてはならない。 今回の脳死臓器提供においても不可解な点が私にはあった。ニュースによると「今回、6歳未満で初めての脳死を判定した富山大病院(富山市)が15日、男児は事故で一時的に心肺停止となり、低酸素性脳症になったことを明らかにした。今月初旬に別の病院で治療を受けた後、富山大病院に転院したという。同病院によると、男児の家族に7日「重篤な脳障害を来して
富山大病院(富山市)で、改正臓器移植法に基づき初めて6歳未満で脳死と判定された男児からの臓器摘出手術が15日、始まった。心臓が大阪大病院(大阪府吹田市)で10歳未満の女児に移植されるなど、臓器は各地の病院に搬送され、同日午後、計3人の患者に移植される。摘出手術は午後3時半終了の見込み。富山大病院はその後、記者会見し、今回の脳死臓器提供の経緯などを説明する予定。 心臓の他に、肝臓が国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)で10歳未満の女児、腎臓が富山県立中央病院(富山市)で60代女性に、それぞれ移植される。家族は肺と膵臓(すいぞう)、小腸、眼球の提供も承諾したが、肺は該当者がおらず、膵臓と小腸は医学的理由で断念した。眼球は別途あっせんされる。移植が行われれば、97年の臓器移植法施行後177例目、改正後は91例目。 摘出手術は正午ごろ開始。摘出チームは順次、富山大病院に到着し、15日午前8時
改正臓器移植法の全面施行(10年7月17日)以降、15歳未満の小児からの脳死臓器提供が4月に1例実施されたが、このほかに小児患者が脳死とみられる状態になったケースが少なくとも11医療施設で14例あったことが、毎日新聞の調査で分かった。親が臓器提供に承諾しなかったり、医師が提供に関する説明を見送るケースが目立ち、いずれも提供には至らなかった。特に小児の場合、家族や医療現場で脳死が人の死として受け入れられない現状が浮き彫りになった。 ◇本社56施設調査 毎日新聞は7月1~15日、小児からの脳死臓器提供を実施すると表明している全国の56施設を対象に郵送によるアンケートを実施。46施設(回答率82%)から回答を得た。 小児患者が脳死とみられる状態になった14例のうち、親が承諾しなかった(4例)▽主治医らが悲嘆にくれる家族の様子を見て、最初から説明を見送った(4例)▽虐待を受けた疑いを否定できなかっ
15歳未満の小児患者からの脳死臓器提供に道を開き、家族承諾での臓器提供を可能にした改正臓器移植法の全面施行から17日で丸1年を迎えた。施行後、全体の脳死臓器提供は急増したが、小児からの提供は1例だけ。提供が進まない背景には、脳死を受け入れがたい親の心情や医師の間でも見解がまとまらないことなど、提供を阻むさまざまな課題がある。【比嘉洋、藤野基文、久野華代】 ◇実施施設「返上」の病院も 小児の脳死臓器提供実施施設として毎日新聞のアンケートに答えた東海地方の病院で2月7日午前9時ごろ、入院中の男児(1歳5カ月)の自発呼吸が止まった。脳波も平たん。脳死とみられる状態だった。 「脳の活動が非常に乏しいです」 同日午後7時、男児のいる集中治療室の隣室に集められた両親とそれぞれの祖父母計6人に治療を担当する女性医師(27)が告げた。人工呼吸器をつけた男児は眠っているように見える。だが、意識が再び戻ること
臓器摘出時に「脳死」の患者が動くって、 本当ですか? 朝日 俊男(医療文化研究センター) 「脳死」・臓器移植を問う市民れんぞく講座2001/12/ 8より はじめに 「臓器摘出時に『脳死』患者が動くって本当ですか?」という題でお話しさせて頂きます。話の前半で、「脳死」患者はどのように動くのか、そして今の神経科学ではその動きがどう説明されているか、などについて、「脳死」が発見・発明されて約30年あまり経った現在での医学的なお話をします。 後半で「脳死」問題の背後にある思想にふれます。「脳死」患者が生きているのであれば人間としての権利がありますが、死んでいるのであれば基本的人権もない単なる物となりますから、法的にみてまったく違う立場に置かれることになります。このように「脳死」は医学的な概念としてだけ考えることはできません。社会的、政治的、文化的に「脳死」という思想がどういう役割を
一部に正常に表示されないページ(ページ上部が見えない等)がありましたが、 修正は終わりました。 News2015-3に 臓器提供プロセスにより家族に心理的揺らぎ生じる 看護学科教員が論文 「ドナーファミリーを讃え、臓器摘出による外観の変化は無いと説明せよ」 心臓移植回避例 に鈴木論文を追加 法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡見込み例統計は、 2015年以降は臓器移植死ページに表形式で掲載します。 ページ配置を変更しました。 脳死判定関連の複数のページを脳死判定廃止論以下に掲載していましたが、 ホームから一覧できる位置に移しました。 また終末期医療以下に掲載していた安楽死or尊厳死or医療放棄死、終末期医療費、救急医療における終末期医療のあり方に関するガイドライン(案)への意見も、 ホームから一覧できる位置に移しました。 ヒットカウンタ68,422
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