「トヨタが裁量労働を拡大」ーー。7月2日に日本経済新聞などが報じたニュースに対し、労働問題にくわしい弁護士から疑問の声が上がっている。実態は「固定残業代制」などを組み合わせたものなのに、法律で定められた「裁量労働制」と誤解を招く表現になっているからだ。 政府は秋の臨時国会で、裁量労働制(企画業務型)の拡大などを盛り込んだ、労働基準法の改正を目指している。これに対し、労働組合などは「残業代ゼロ法案」と反対している。 ブラック企業被害対策弁護団代表の佐々木亮弁護士は、「マスコミは、一般の言葉として『裁量労働』を使ったのかもしれませんが、法律上の制度に『裁量労働』がある。報道はミスリードだと思います」と、不信感を露わにしている。 ●トヨタは「裁量労働制ではありません」とコメント このニュースは、トヨタが今年12月を目標に、社員の働き方の自由度を高める施策を検討しているというもの。 具体的には、総