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ブックマーク / econ101.jp (286)

  • スコット・サムナー「個人消費支出水準 135 に注視すべし」(2020年8月28日)

    [Scott Sumner, “Focus on 135,” TheMoneyIllusion, August 28, 2020] ぼくらは連銀の政策を変えられる.ここでいう「ぼくら」には,連銀についてあれこれ語ってるいろんな集団がぜんぶ含まれる. もちろん,アメリカ人の 99% は連銀の政策なんかに注目しない.残る 1% は,ぼくみたいな評論家や学者だったり,キミみたいなブログ読者だったり,大手銀行家だったり,一部の政治家だったり,投資家だったりする. 政策をもっと効果的にするには,「135」って数字にずっと言及し続ける必要がある.何度でも,繰り返すこと.もしも平均インフレ率目標を成功させようというなら,個人消費支出水準は,2030年1月に 135 近辺になっていないといけない〔日語版〕. 連銀は,裁量の幅を広くとれるように,そして,失敗しても言い訳が立つように,これを漠然としたままに

    スコット・サムナー「個人消費支出水準 135 に注視すべし」(2020年8月28日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2020/08/29
    個人消費支出水準だと消費そのものの話になってしまうけど、サムナーが言うのは当然物価水準のことなので個人消費支出価格指数、あるいは一般的な呼び方であろうPCEデフレータとしないと誤解を生むのでは。
  • タイラー・コーエン「ハーバードでのシグナリングと資質認定」(2020年7月7日)

    [Tyler Cowen, “Signaling vs. certification at Harvard,” Marginal Revolution, July 7, 2020] ハーバードは秋学期の教育をオンラインだけでやる予定だ(一部の学生は寮生活をする).それでも,学費は全額請求するそうだ.この件を論評している人たちの多くは,教育のシグナリング理論を支持する証拠がここからもたらされると主張している. でも,そうとも言えない.わりと文字どおりにとると,シグナリング理論とはこういう考えだ:「教育とは突破が非常に難しいハードルのことであり,ハーバードをぶじ卒業できたなら,その人はほんとにすごく賢くて勤勉な人物にちがいない.」 カリフォルニア工科大学ならそうかしれない.でも,スタンフォードやハーバードなど,上位大学の多くは悪くはない成績を十分にとればかなりかんたんに卒業できるようになってい

    タイラー・コーエン「ハーバードでのシグナリングと資質認定」(2020年7月7日)
  • ボールドウィン & エヴェネット「COVID-19 と通商政策: pt.3」(2020年4月29日)

    [Richard Baldwin & Simon J. Evenett, “Introduction,” in COVID-19 and Trade Policies. VoxEU, April 29, 2020] [pt.2 はこちら] 保護主義の誘惑と,自由主義貿易体制への恐れ 景気後退は保護主義の召使いだというのが通説だ.すでに述べたように,1930年代序盤の経験という歴史の実例を見れば,この通説にもなっとくがいく.その帰結は,陰惨だった.傑出した経済史家たち Barry Eichengreen と Douglas Irwin はこう論じている:「大恐慌にはいまなお論争が続いている側面が多々ある.だが,それでもただひとつ,諸説が一致している点がある.それは,制限的な通商政策を採用したのは破壊的で逆効果だった,という点だ.」(Eichengreen & Irwin 2009). 200

    ボールドウィン & エヴェネット「COVID-19 と通商政策: pt.3」(2020年4月29日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2020/05/03
    保護主義は空から降ってくるわけでない――苦境につけこんで保護主義を主張する人々がいて存在するのだ.もちろん内向きに閉じようという切り口で自説を述べはしない.供給を確保するといった主張で保護主義を唱える
  • アレックス・タバロック「1918年-1919年のパンデミックで有効だったのは?」(2020年3月7日)

    [Alex Tabarrok, “What Worked in 1918-1919?” Marginal Revolution, March 7, 2020] 1918年のインフルエンザパンデミックは,人類を苛んだ史上最大の感染拡大だった.死者数は世界でおよそ 4,000万人にのぼった.これには,合衆国での死者 55万人も含まれる.現代のパンデミックに対して,公衆衛生対応策と並行して公衆衛生の便益を最大化しつつパンデミックが社会にもたらす混乱の影響を最小限にとどめようとの対応を計画するにあたって,1918年~1919年のパンデミックから得られる教訓は適用できるだろうか? これが,Markel et al. の 2007年論文が立てた問いだ.同論文では,1918年~1919年にインフルエンザを鎮めるべく合衆国の43都市(当時の合衆国人口の約 20% におよぶ)でなされた対応とさまざまな結果に

    アレックス・タバロック「1918年-1919年のパンデミックで有効だったのは?」(2020年3月7日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2020/03/10
    1918年のインフルパンデミック.休校措置・隔離検疫・集会禁止を組合わせて用いた都市ほど概してうまくやっている.集会禁止を解除し休校を一時的に解いたデンバーでは,いったん低下した超過死亡率が上昇している.
  • タイラー・コーエン「誰でもトイレを使えるようにしたスターバックスの顛末」(2020年3月7日)

    [Tyler Cowen, “Facts about Starbucks against free bathrooms charge them all,” Marginal Revolution, March 7, 2020] 2018年5月に,抗議の声に応じてスターバックスは全国で方針を変更し,商品を買わなくても誰もが客席やトイレを利用できるようにした.研究では,匿名化した携帯電話位置情報データを大量に用いて推計を行った.これによれば,新方針により,近隣のコーヒーショップやレストランに比べて,スターバックスの店舗への訪問が7.3% 低下することにつながっている.立ち寄りの低下は,スタバックスが公に開示している情報からは計算できない.開示情報には,他のコーヒーショップという対照群が欠けているためだ.訪問者の減少は,ホームレスシェルターの近くにある店舗ではおよそ 84% 大きくなっている.

    タイラー・コーエン「誰でもトイレを使えるようにしたスターバックスの顛末」(2020年3月7日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2020/03/08
    スタバは商品を買わなくても客席やトイレを利用できるようにした.近隣コーヒーショップに比べ訪問が7.3% 低下,滞在時間が 4.1% 減.より裕福な顧客ほど訪問を減らしているが,黒人・白人どちらも同程度に訪問しなく.
  • タイラー・コーエン「男女交際に関する実におどろきのデータ」(2019年11月16日)

    [Tyler Cowen, “Pretty stunning data on dating,” Marginal Revolution, November 16, 2019] 全体をとおして面白いけれど,ばつぐんに面白いのは pp.5-6 で,男性が女性をどう評価するのかと,女性が男性をどう評価するのかを比較している.そのうち,半分はこんな感じ〔交際相手マッチングサイト OKQupid のデータ〕: [キャプション:「女性による男性評価が描く曲線は,クロックス/カーゴパンツの所有率に近似すると想定される.「もっとも魅力的」と評価された男性が 0% なのもなっとくがいく.男性なら誰でも少なくともカーゴパンツをひそかに1着もっているのを女性はお見通しなのだ.」] リンクはこちら.Dan McMurtrie による文章だ (via David Perell).p.2 の上側に掲載されてるグラフは

    タイラー・コーエン「男女交際に関する実におどろきのデータ」(2019年11月16日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/11/18
    「女性による男性評価が描く曲線は「もっとも魅力的」と評価された男性が 0% .」https://econ101.jp/wp-content/uploads/2019/11/Womenrate.pngついでながら,男性による女性の評価はこんな感じ:https://econ101.jp/wp-content/uploads/2019/11/menrate.png
  • アレックス・タバロック「アクティブ・ラーニングは機能するけれど学生のお気には召さない」(2019年9月9日)

    [Alex Tabarrok, “Active Learning Works But Students Don’t Like It,” Marginal Revolution, September 9, 2019] 一貫して同じ学生と教員を対象にして注意深く実施された実験により,アクティブ・ラーニング〔能動的学習〕の授業の方が学生たちはより多く学ぶものの,このスタイルの授業を学生は嫌い,学ぶものがそれほど多くないと考えていることが明らかになった.べつにものすごく意外な結果ではない――アクティブ・ラーニングは難しくて,学生はまるで自分がバカなような思いをしてしまうものだ.それよりも,イスにふんぞり返ってご立派な講師が巧みな講義でなにもかも単純なように思わせてくれるのを楽しんでいる方がずっとラクだ. 教室での指導法としてアクティブ・ラーニングはよりすぐれていると認識されているものの,近年の大が

    アレックス・タバロック「アクティブ・ラーニングは機能するけれど学生のお気には召さない」(2019年9月9日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/09/18
    注意深く実施された実験により,アクティブ・ラーニング〔能動的学習〕の授業の方が学生たちはより多く学ぶものの,このスタイルの授業を学生は嫌い,学ぶものがそれほど多くないと考えていることが明らかになった.
  • サイモン・レン=ルイス「新たなマクロ経済政策割り当て」(2019年8月28日)

    [Simon Wren-Lewis, “A New Macropolicy Assignment,” Mainly Macro, August 28, 2019] 次に景気後退が生じたときにこれを抑えられるかどうかについて中央銀行家たちが正しくも悲観的になるなか,中央銀行はインフレを目標値に維持しつつその責務を政治家に渡すときがきているのかもしれない. 先日,ジャクソン・ホールで開かれた中央銀行家たちの会議では,新たに景気後退が生じたときにこれに効果的に対処するツールがないことが全体的に受け入れられたようだ.その理由は,ここ〔翻訳〕でいくらか論じておいた.いちばんおなじみの理由は名目金利の下限だが,Anna Stansbury と Larry Summers はさらにこう論じている――下限にたどりつく前であっても,非常に低くなっているときに名目金利は効果的な安定化ツールではないかもしれない

    サイモン・レン=ルイス「新たなマクロ経済政策割り当て」(2019年8月28日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/09/02
    なあなあでやるのでなく中銀が正式にギブアップを表明するのは一つの手であるとして、景気後退への対応責任を政治家にもたせるだけでは効果は薄いだろう。財政赤字の制御というか破綻に対しての免責付きでも無いと。
  • タイラー・コーエン「金融政策は力を失ってしまった?」(2019年8月29日)

    [Tyler Cowen, “Has monetary policy lost its power?” Marginal Revolution, August 29, 2019] 「それはない」というのが,ブルームバーグのコラムに書いたぼくの答えだ.ちょっとだけ冒頭を抜粋: いまの状況でなにより目を見張る事実はなにかと言えば,世界の主要な中央銀行のどれひとつとして物価インフレ率をもっと高くしたいと宣言していない〔インフレ目標の引き上げを宣言していない〕という点だ.欧州中央銀行や日銀やアメリカ連銀の首脳から,3パーセントインフレ率〔目標〕を支持するなんて発言を聞いた? だから,中央銀行が大したことなさそうに見えるのも当然なんだよ. ようするに,中央銀行は経済の刺激に付け足し程度の貢献をしたがっているのであって,物価上昇率をもっと高くすることで政治的な怒りを呼び込みたくはないわけだ.中央銀行が

    タイラー・コーエン「金融政策は力を失ってしまった?」(2019年8月29日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/08/30
    オーバーシュート型コミットメントはその類のものなんでは。/ 欧州中央銀行や日銀やアメリカ連銀の首脳から,3パーセントインフレ率〔目標〕を支持するなんて発言を聞いた?
  • スコット・サムナー 「貨幣と生産 ~椅子取りゲームモデル~」(2013年4月6日)/「椅子取りゲームモデル再訪」(2014年2月4日)

    スコット・サムナー 「貨幣と生産 ~椅子取りゲームモデル~」(2013年4月6日)/「椅子取りゲームモデル再訪」(2014年2月4日) ●Scott Sumner, “Money and output (The musical chairs model)”(TheMoneyIllusion, April 6, 2013) これまでの一連のエントリーでは、金融政策が長期的に物価にどのようなインパクトを及ぼすのかについて説明してきた。その際に依拠した基的なアプローチにあえて名前を付けると、「ホットポテトモデル」(“hot potato model”)と呼ぶことができるだろう。その内容を簡単に説明すると、次のようになる。市井(しせい)の人々は、利子を生まない貨幣を一定量だけ需要する(手元に保有しておこうとする)。Fedが民間の貨幣需要を上回る量のベースマネーを供給すると、人々は欲する以上の現金

    スコット・サムナー 「貨幣と生産 ~椅子取りゲームモデル~」(2013年4月6日)/「椅子取りゲームモデル再訪」(2014年2月4日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/08/17
    「名目賃金のカットを嫌うことは不合理ではない。名目額で固定された債務を返済する必要性があるからだ」は妥当なものだとは言えない。支出が債務の返済だけからなっているならまだしも、事実はそうではないからだ。
  • サイモン・レンルイス「緊縮の教訓はこうして学ばれずじまいになった」(2019年7月23日)

    [Simon Wren-Lewis, “How the lessons from austerity have not been learned,” Mainly Macro, July 23, 2019] イギリスとユーロ圏はどちらも来たるべき景気後退に対して脆弱だが,どちらの政治家たちも中央銀行も,「あちらが景気後退に対応すべきだ」と考えている. イギリス・アメリカ・ユーロ圏で景気後退が生じる見込みについてここで語りたくはない.予想は(必然的に)無益な試みだ.あまりにもいろんな変数が絡んでいるので,正確な予測は立てようがない.リスク要因を洗い出しておくのは有用だし,グレイス・ブレイクリーがここで見事な仕事をやっている.それより,次にもしも景気後退が起こったときに,その影響に対してイギリスやユーロ圏がどちらも脆弱なことを私は懸念している.その脆弱性をはっきり示した実例といえば,グローバル

    サイモン・レンルイス「緊縮の教訓はこうして学ばれずじまいになった」(2019年7月23日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/07/29
    お金をつくりだして,借入金利を中銀が払うかたちで借り手たちにお金を与える手はかつて欧州中銀が実施した例がある(Eric Lonerganの議論 https://t.co/bZtYczfwdl ).こちらは,かなりの程度まで政府の関与なしに実施できる.
  • G.オッタヴィアノ「経済地理の逆襲:ヨーロッパの地域格差と選挙動向」(2019年7月3日)

    [Gianmarco Ottaviano, “The economic geography of sovereignist Europe,” VoxEU, July 3, 2019] 経済地理が逆襲しつつある――グローバル化の時代に「距離は死滅する」とお手軽な論議が20年ほど続いてきたが,みんなの生活水準が上がっていく世界という約束は,各国内部の地域差のしぶとさによって突きつけられる挑戦はますます強まってきている.多くの人々や企業が地理的に流動的でないかぎり――そして地理的に流動的な人々がおうおうにして高技能で生産的な人々や企業であったりするかぎり――遠く離れた人々どうしのやりとりがさらに簡単になっても,集積の経済は弱められるどころか,むしろ強化される.この角度から見たとき,ヨーロッパで近年見られる選挙傾向は驚くほどよく理解できる. 計量経済分析から,EU から離脱するかどうかをめぐるイギ

    G.オッタヴィアノ「経済地理の逆襲:ヨーロッパの地域格差と選挙動向」(2019年7月3日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/07/09
    グローバル化は世界中の国々の「大収斂」といくつかの先進国内での「大分岐」をともなって到来した.EU内部にも当てはまる.近年,地域間格差の増大を反転させる面で,再分配政策は限定的な効果しかもたらしてない.
  • ジェームズ・ハミルトン「Libra:Facebook暗号通貨の経済学」

    James Hamilton “Libra: economics of Facebook’s cryptocurrency” Econbrowser, June 24, 2019 先週 [1]訳注;2019年6月18日 ,Facebookは新たな国際暗号通貨Libraの構想を発表した。このLibraという名前は,銀1ポンドに基づき中世を通じてフランスの貨幣だった”livre”と,ラテン語で「自由」を意味する”liber”の合成のように思える [2] … Continue reading 。Facebookは,従来の銀行にアクセスのない世界の17億人の成人に対してLibraが国境を越えて資金を簡単に転送する自由を与えると主張している。 お金は3つの特質によって定義される。すなわち,計算の単位(私たちが買うものは大抵ドルで値付けされている),交換の媒介(そうしたものを買う際には,売り手に自分の

    ジェームズ・ハミルトン「Libra:Facebook暗号通貨の経済学」
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/07/01
    Libraコインが新たに発行されるには、等価の支払いが再販業者からリザーブに行われる必要。協会と再販業者の取引の結果、需要が拡大したときは新しいコインが自動で発行され縮小したとき自動で焼却。
  • ニック・ロウ「会計の恒等式と無自覚に現状維持を想定してしまうクセ」(2019年5月14日)

    [Nick Rowe, “Accounting Identities and the Implicit Theory of Inertia,” Worthwhile Canadian Initiative, May 14, 2019] 動物は肉動物と非肉動物にわけられる:つまり,「動物=肉+非肉」だ.だから,羊たちの島にオオカミを何頭か放り込むと,その島にすむ動物の数は増えるよ. この論証がおかしそうな理由はすぐにわかる.「オオカミが羊をべちゃうでしょうに.」 でも,オオカミと羊についてそういう事実を知らなかったら,この論証はすごくもっともらしく聞こえるはずだ.でも,「動物 = 肉 + 非肉」の恒等式は,世界についてまるっきりなんにも伝えてくれない.この式は,定義により正しい会計の恒等式だ.この式が伝えてくれることはただひとつ,世界をどんな風にわけるのを選んだかってこと,それ

    ニック・ロウ「会計の恒等式と無自覚に現状維持を想定してしまうクセ」(2019年5月14日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/06/12
    "動物は肉食動物と非肉食動物にわけられる:つまり,「動物=肉食+非肉食」だ.だから,羊たちの島にオオカミを何頭か放り込むと,その島にすむ動物の数は増えるよ."
  • スコット・サムナー「10%インフレ目標を日本が達成するのに必須なことは?」(2019年6月2日)

    [Scott Sumner, “What would Japan have to do to achieve a 10% inflation target?,” The Money Illusion, June 2, 2019] まさか日が 10%インフレ目標を採用するとは思わないし,採用した方がいいとも思わない.ただ,かりに 10%目標を採用した場合を思考実験として考えてみると,なかなかつかみがたい考えをはっきりさせる役に立つ. 10% インフレ目標をとったときに,日の金利とベースマネー需要がどんな風になるか考えてみよう.超過準備付利 (IOR) はないと仮定する.すると,こうなりそうだと推測できる: #1. 日の金利はおおよそ 10%(±2%)になるだろう. #2.日のマネタリーベースはだいたい GDP の 5%から10%ほどになるだろう. 1つ目の推測の根拠となっている事実は

    スコット・サムナー「10%インフレ目標を日本が達成するのに必須なことは?」(2019年6月2日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/06/10
    病院は健康にするのを目標にした施設だ.でも,病院にいる人の方がそうでない人よりも具合が悪い.量的緩和はより急速な名目GDP成長を導く狙い.でも,量的緩和をやってる方がやってない国々よりも名目GDP成長が遅い.
  • アレックス・タバロック「アメリカの都市は住めたものじゃない.お金持ちのリベラルのせいだ」(2019年5月23日)

    [Alex Tabarrok, “America’s Cities Are Unlivable. Blame Wealthy Liberals,” Marginal Revolution, May 23, 2019] ファラド・マンジューが『ニューヨークタイムズ』に書いた記事で議論を提起している: 裕福な進歩派たちは,国全体の水準ではこういう風にするべきだと価値観を表明していながら,足下の生活ではその価値観にしたがって暮らそうとしない.人口密度が高くて経済的・社会的に多様な都市の環境は,進歩主義の最重要目標であってしかるべきだ.都市は,グローバル経済の標準的な地理的単位だ.人口密度が高い都市地域はほぼ文字通りに「当のアメリカ」と言っていい――アメリカ人の3分の2は都市に暮らしているし,都市は全米の経済的産出のほぼ全てを占めている.都市地域は,大勢の人々が集住する形態としていちばん環境にや

    アレックス・タバロック「アメリカの都市は住めたものじゃない.お金持ちのリベラルのせいだ」(2019年5月23日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/06/08
    共和党が移民税関捜査局や国境の壁でやりたがっているのと同じことを,裕福な進歩派の民主党員たちが土地利用規制や「ヨソならいいけどうちの近所では勘弁してくれ」式の地域住民エゴでやっている.
  • スコット・サムナー 「どこかがおかしい我が愛車・・・とFedの金融政策」(2019年5月21日)

    ●Scott Sumner, “There’s something wrong with my car”(TheMoneyIllusion, May 21, 2019) 先週の話になるが、カーディーラーのもとを訪れてきた。買ったばかりの新車の調子がいまいちなのだ。 「高速道路で線に合流しようと思って、制限速度いっぱいの時速65マイル(時速およそ104キロ)まで加速しようと試みたんですが、どうもうまくいかないんです。ブレーキペダルを9回ほど軽く踏んだんですが、それでもうまくいかないんです。時速65マイルまで加速しないんですよ。どこか故障してるに違いないと思うんです」。 ・・・と我が愛車が抱える問題について伝えたところ、珍妙な顔をするディーラー。「ブレーキペダルを踏んだら、希望する速度まで車が加速しないのも当然です」とかなんとか口からでまかせを言い出す始末。 「Fedには、インフレ率を2%に

    スコット・サムナー 「どこかがおかしい我が愛車・・・とFedの金融政策」(2019年5月21日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/05/23
    PCEデフレータ、ヘッドラインでは2%をちょくちょく超えてるし、コアも一回だけとはいえ2018年に2%を超えてるので、揶揄をするなら、インフレ目標2%をまるで上限のように扱って見事にそれを達成してる、という形の方が。
  • デイビッド・アンドルファット「年上の女を讃える」(2010年10月4日)

    David Andolfatto, “In Praise of Older Women” [1]訳注:ハンガリー生まれカナダ人作家スティーヴン・ヴィジンツェイの恋愛小説の題名「年上の女を讃える」からと思われる。 , (Macro Mania, October 4, 2010) どこで聞いてもアメリカの雇用情勢は悪いと言われる。だが、「悪い」とはどういう意味だろう?どれほど悪いかを証明する最もよくある方法は以下のような図表を使うことだ [2]訳注:残念ながらリンク切れだが、ダラスFedの統計だったと思われる 。 (図表:不況期における民間雇用の急激な落ち込み) ここも見て欲しい [3]訳注:残念ながらリンク切れ 。これらは、景気循環ピークにある雇用水準を取り、ゼロを基準に合わせている。過去のいくつかの不況期が折れ線グラフになっているが、雇用の変化は各不況期の初めから見て取れる。そして今回の不

    デイビッド・アンドルファット「年上の女を讃える」(2010年10月4日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/05/13
    雇用率は定常ではない。少なくともこのサンプル期間において。1990年代のピークから下降傾向にある。最近の景気循環的減速はこの下降トレンドによって加速している(雇用なき景気回復現象に寄与した)可能性がある。
  • ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日; 2021年11月20日更新)

    [Noah Smsith, “Examining an MMT model in detail,” Noahpinion, March 31, 2019; re-posted on November 20, 2021] 〔2021年11月20日に再投稿された記事の加筆部分を訳しました.〕 なじみがない人のために言うと,MMT 〔を主張している人たち〕とは,「政府はもっと借り入れてもっと支出しろ」と言ってまわってる結束の固い集団だ.MMT は「現代貨幣理論」(modern monetary theory) の略で,この名称をぱっと見たら,「ああ,経済の仕組みについての理論があるんだな」とふつうは思う.これまでのところ,経済学者たちが MMT の文献をじっくり調べてみても,ネットミームにとどまらないまとまった理論と言えるものはないという結論になってる――そこにあるのは,特定の政策を支持するあれ

    ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日; 2021年11月20日更新)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/04/14
    MMTインサイダーのランドル・レイはこう書いた――MMT が物価安定に使う主なツールは連邦政府の《雇用保障》だ:そう,MMT には物価安定を維持するツールが他にもある.完全雇用への JG アプローチがそれだ.
  • タイラー・コーエン「なんでみんなセックスしないの?」(2005年5月9日)

    Tyler Cowen “Why don’t people have more sex?” Marginal Revolution, May 9, 2005 以下は当ブログの熱心な読者であるマイケル・ヴァッサーのコメント どのような形態の帰結主義も,性的な行動の解釈に多大な困難を伴います。端的にいえば,説明できないセックスの不足があるのです。女性も男性もその他のほとんどの活動よりもセックスを楽しく思う(これは平均としての話で,私がそう感じるかは別の話です)ことを示す研究や,セックスが質的に低コストであることを踏まえれば,おおざっぱな推定に推定したとしても,効用を最大化する人はほとんどの人よりもおそらく多くの時間をセックスすることに費やすように思えます。この点に関する経済学的な議論を何かご存知でしょうか。 僕らに必要なのは正当事由というよりも,取引を拒むことから利益が生じる理由だ。いくつか

    タイラー・コーエン「なんでみんなセックスしないの?」(2005年5月9日)
    yasudayasu
    yasudayasu 2019/03/29
    僕らに必要なのは正当事由というよりも,取引を拒むことから利益が生じる理由だ。いくつか考えられるところを挙げてみよう。