日銀は「2%のインフレ目標」導入について検討中だ。しかし、安倍晋三首相と白川方明日銀総裁の間にはインフレ目標やそれを達成するための金融政策をめぐって重大な齟齬(そご)がある。 白川氏は昨年12月28日、日経新聞とのインタビューで、脱デフレについて、「日銀の生活者調査では国民の8割以上が物価上昇をどちらかというと望ましくないと回答している。一方で同じ国民がデフレからの脱却を望んでいる。国民が求めるデフレ脱却とは景気を良くしてほしいということと同義で、雇用が確保されて賃金も上昇し、企業収益も増えてその結果として物価も上がっていくという経済成長を実現することだ」と強調した。 まず景気をよくしろ、そのためには、金融政策よりも規制緩和など政府の政策が脱デフレ実現のためには大事ですよ、とささやくのである。 安倍首相は、9日に開かれた経済財政諮問会議で白川氏の目の前で、「10年以上デフレが続き、相