ブックマーク / courrier.jp (720)

  • フランスが漫画大国になった歴史を「仏紙の40年の報道」から読み解く | フランスに根付くまでの40年間

    フランスでも非常に人気が高い日のマンガ。その評価は初めから高かったわけではなく、長年かけて徐々に定着していったという。日のマンガはフランス社会でどう受け止められてきたのかを、仏高級紙「ル・モンド」上での40年以上の報道から読み解いていく。 フランス中が悲しんだ鳥山明の死 とうとう孫悟空が孤児になってしまった……。史上もっとも有名なマンガのひとつで、世界で2億6000万部を売り上げた『ドラゴンボール』の作者、鳥山明が68歳で亡くなった。3月1日のことだったが、遺族がそれを公表したのは1週間後だった。 こうして日から世界にマンガを広げた主要人物の一人がいなくなってしまった。仏紙「ル・モンド」にウィリアム・オーデュロー記者はこう記した。 「2013年にアングレーム国際漫画祭で特別賞を受賞。2019年にはフランスの芸術文化勲章『シュバリエ』を受章した。地方に暮らすことを好んだマンガ家の鳥山明

    フランスが漫画大国になった歴史を「仏紙の40年の報道」から読み解く | フランスに根付くまでの40年間
  • 英誌が見た「失われた数十年」から脱却する日本と、“日本化”する米国 | 中国に代わる「アジアのリーダー」に

    数十年ぶりの株価高騰に円安と、日経済が激動の時代を迎えるなか、日米関係はどう変わるのか。英経済誌「エコノミスト」は「失われた数十年」から脱却しつつある日に対し、米国は新たな役割を期待していると指摘する。 「失われた数十年」は解消に向かっている 1982年、戦後の日米関係において最も肝を冷やす事件のひとつがデトロイトで起こった。 自動車工場に勤務していた2人の白人男性が、中国系米国人を日人だと思い込んで撲殺したのだ。 加害者2人は有罪になったが、3年間の保護観察処分と約3000ドルの罰金の支払いを命じられただけだった。この度を越して寛大な判決は、米国政府の上層部にまで蔓延する時代の雰囲気を反映している。 80年代に日米貿易摩擦が激化すると、経済大国の地位を日に奪われることを危惧した米国は強硬な対応をとった。貿易規制を敷いて日の国内市場をこじ開け、円高ドル安を推進した。90年代に日

    英誌が見た「失われた数十年」から脱却する日本と、“日本化”する米国 | 中国に代わる「アジアのリーダー」に
  • ロックバンド「はっぴいえんど」は、日本語ロックの魅力を世界に伝えた | 翻訳は元の意味を変えてしまう

    「はっぴいえんど」は、日のロック界に大きな影響を及ぼしたバンドのひとつだ。英語で歌うべきものとされていたジャンルで、母国語である日語の歌詞を作った彼らに、世界的なロックバンド「ビートルズ」を生んだ英国の「ガーディアン」紙が取材した。 「歌詞を翻訳すれば、意味が変わってしまう」 1969年、松隆と細野晴臣がロックバンドをはじめようとしたとき、二人はある選択を迫られた──当時のロックの共通語である英語で歌うか、日語で歌うか。議論の末に二人は母語を選択し、そうすることで、日音楽の流れを完全に変えたのだった。 松、細野、そして鈴木茂と大瀧詠一によって結成されたバンド「はっぴいえんど」は、西洋風のフォークロックと日語のボーカルを融合させた。この決断は、近年ネット上で人気がある80年代のシティ・ポップ・ファンクから、現代のJポップに至るまで、日のあらゆる音楽に影響を与えている。 「僕

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  • ユヴァル・ノア・ハラリ「1945年の日本といまのイスラエルの共通点」 | ガザの惨状を信じないイスラエル人

    エコーチェンバー 10月7日以降、イスラエルがハマスと戦い、打ち負かすことが不可欠となった。しかし、それは罪のない多くの市民を殺し、市民を飢えさせずとも達成することは可能だった。イスラエル国防軍は戦場で多くの勝利を収め、ガザのほとんどの地域とそこに通じるルートを掌握した。 戦闘のさなかに、民間人と戦闘員を切り離すことが困難な場合はあるだろう。しかし、なぜイスラエルはガザに大量の援助物資を入れることを妨げたのだろうか。子供たちが飢餓に苦しみ、絶望した何千人もが援助トラックの襲撃を招いたのは、ガザ内での非効率的な分配、ハマスの工作員による窃盗のせいだという意見もある。 仮にそのような問題が現実だったとしても、イスラエルは大量の糧や医薬品、その他の物資をガザに送り込めたはずだ。不手際や窃盗があったとしても、飢餓を招くような規模にはならなかったはずだ。結局のところ、料を窃盗しても、それを他の住

    ユヴァル・ノア・ハラリ「1945年の日本といまのイスラエルの共通点」 | ガザの惨状を信じないイスラエル人
  • ユヴァル・ノア・ハラリ「このままではイスラエルは“中東の北朝鮮”になる」 | イスラエル国民への緊急メッセージ

    イスラエルは今後数日のうちに、歴史的な政策決定を下さなければならない。それは今後何世代にもわたってイスラエルの運命と地域全体の運命を左右しかねないものになるだろう。しかし、残念なことに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と彼の政治パートナーにそうした決断を下せる能力がないことは、すでに何度も示されてきた。 彼らが長年進めてきた政策によって、イスラエルは破滅の瀬戸際に追いやられている。しかし、彼らは過ちを悔いる様子も、方向を転換する様子も見せていない。このまま彼らが政権を握っていれば、イスラエルと中東地域全体は破綻するだろう。慌ててイランと新たな戦争を始めるのではなく、まずは過去半年の戦争における自分たちの失敗から学ぶべきだ。 戦争政治的目的を達成するための軍事的手段である。その成功を測るのは、目的が達成されたかどうかだ。10月7日の恐ろしい大虐殺の後、イスラエルは人質を取り戻し、ハマスの武装を解

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  • 「人間にしかできないことがある」─Adoが英紙に語ったこと | 自分たち「日本のZ世代」が見ている未来

    いまや日を代表する歌手となったAdo。2024年には自身初となる世界ツアーで11ヵ国をまわり、その人気ぶりはとどまるところを知らない。3月中旬におこなわれたロンドン公演を前に、英紙「ガーディアン」が彼女にインタビューした。 人が考える『うっせぇわ』大ヒットの理由 最近、台北のCDショップ内を歩いていたとき、Adoは自分の最新アルバムが大々的にディスプレイされているのを見つけた。 「このディスプレイを担当した店員は、まさか自分がいまここにいるとは思わないだろうな、と思いました。でも、そういう感じにも慣れました。嬉しくなりますね」 この日人ポップシンガーは、東アジアとインターネット上でスーパースターとなっている。多くのシングルでプラチナセールスを記録し、Spotifyでは600万人を超える月間リスナーを抱えている。 だが、Adoの素顔は厳重に隠されている。彼女は写真や動画で姿を見せること

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  • 日本の新紙幣の発行には「ネパール人の尽力」が不可欠だった | 原料がどこで作られているか知っていますか?

    の紙幣の原料に用いられる樹木「ミツマタ」は、国内調達が難しくなっており、その多くがネパールから輸入されているという。 2024年7月に紙幣のデザインが刷新されるが、その発行はミツマタの生産・加工に関わるネパール人なしには「不可能」だと、産地を訪ねた米紙が報じている。 「儲かるなんて思ってもみなかった」 世界最高峰の山々とインド北東部ダージリン地方の茶畑に挟まれたネパール東部のこの地域では、壮観な景色が広がり、希少なランが育ち、緑豊かな丘陵地でレッサーパンダが遊ぶ。 だが、ここでの生活は厳しい。世界最高峰のエベレストの近くで生まれた農業従事者のパサン・シェルパは、十数年前に野生動物にトウモロコシやジャガイモを荒らされて栽培を諦めた。そして代わりに、それほど価値のなさそうな植物を育てることにした。ヒマラヤに自生する常緑で黄色い花を咲かせる「アルゲリ」(註:ミツマタの近縁種)と呼ばれる低木だ

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  • イタリア南チロルは子育て天国だった! 高い出生率を維持する奇跡の街 | 潤沢な交付金に、あらゆる割引、いたるところに保育所

    アルプス山脈に囲まれた都市ボルツァーノの中心街にある市庁舎。ステファノ・バルド(38)は授乳休憩で早退をする。 「もちろん僕が授乳するわけじゃないんですけど」運輸行政を担当しているバルドは、と子供6人の写真を飾った執務室でこう話す。は新生児の世話で家にいる。親のどちらか一方が授乳休憩をとる権利は法律で認められているし、彼は子供たちのお迎えに行かなくてはならない。 「この制度はとても使い勝手がいいんです」 大家族は、イタリアでも次第に過去のものとなった。同国はヨーロッパで有数の低出生率の国であり、ジョルジャ・メローニ首相も教皇フランシスコも、「イタリア人は消滅の危機にある」と警告したほどだ。ところがその趨勢(すうせい)に最も抗っているのが南チロルと呼ばれるアルト・アディジェ地域(ボルツァーノ自治県)とその県都ボルツァーノでは、数十年以上出生率を維持し続けている。 その理由として専門家たち

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  • 「日本経済はついに“正常化”しはじめたのか?」日本人エコノミストたちの見解 | デフレからの「完全脱出」はもうすぐ?

    国民総生産(GNP)の算出法を確立したことで知られ、1971年にノーベル経済学賞を受賞したサイモン・クズネッツはかつて、国の経済はおおまかに4つに分類されると言った。 「世界には4種類の国がある。先進国と途上国、そして日とアルゼンチンだ」 1960年代以降の日の目覚ましい高度成長は、クズネッツの目にはきわめて異例で、別個の類型として扱うべきものに見えた。だが1990年代後半以降、それとは別の意味で日は世界でもまれな国となる。インフレ・金利・賃金上昇ともにほぼゼロ近辺で停滞を続け、ときにはマイナス化する場合さえあった。 だがいまは違う。日銀行や日政府の関係者は、「日歴史的な転換点にあり、やっと“正常な”経済に戻るかもしれない」と口をそろえる。企業はコスト上昇分を価格に上乗せし、労働者は物価上昇分に見合った賃上げを要求することができるようになるはずだ。岸田文雄首相は2024年3月

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  • 「レストランに子供を連れていくか」問題に、フランス紙記者が出した答え | 動画垂れ流しでも連れていく?

    子供を外に連れていくべきか、否か。日でも賛否両論あるテーマだろう。フランスの親たちも「子供たちに事の楽しさを教えたい」気持ちと、「せっかくのディナーを台無しにするかもしれない」リスクとの間で、ジレンマに陥っている。 先日のこと。パートナーの誕生日に、二人で洒落たレストランに出かけた。誰もが控えめな声で話す、ベージュで統一されたシックな空間のなかで、私たちの近くに一組の家族が座っていた。父親、母親、4歳くらいの男の子。時刻は20時15分、明らかに彼らは事──5〜7皿の提供があるコース──に手をつけはじめたばかり。私には彼らが、まったくもって場違いに思えた。 4歳児にとって、2時間テーブルに座りっぱなしで、生ウニ(たしかに美味しいが)や、リー・ド・ヴォー(註:子牛の胸腺)(これも美味)が次々現れる事は、退屈の極みではないだろうか。両親はタブレットという名の最終兵器を取り出すと、デザー

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  • フランス人歴史家に聞く 「日本の海賊」を研究しようと思った理由 | 「渋沢・クローデル賞」受賞者

    ──フランスのどちらで生まれ育ったのですか。 フランスの南部にアルビという都市がありますが、そこから車で15分くらいのラバスティード-ガボスという、人口400人ほどの田舎で生まれ育ちましたので、けっこうな田舎者です。 そんな環境でしたので、家族も周りの人も、極東に関する知識はあまりないというか、日中国の区別もつかないレベルでした。高校で日について習ったことはありましたが、当に関心を持っていたとは言えません。 高校3年生のとき、アルビの書店で『日語のまねきねこ』という日語の教科書を見つけ、「面白そうだな」と買いました。最初は独学で、やがて日の大学で学ぶことになりました。そもそもは日語という言語に魅力を感じて始めた勉強だったんです。 ──その後、歴史の研究者を志されたわけですが、何か決定的なとの出会いがあったりしたのですか。 いろいろなを読んで歴史への好奇心が出てきたのです

    フランス人歴史家に聞く 「日本の海賊」を研究しようと思った理由 | 「渋沢・クローデル賞」受賞者
  • ポケモンカードはいかにしてトレーディングカードの「王」となったのか | ノスタルジー、新型コロナ、YouTuber

    かつて、米国人が必死になって集めるトレーディングカードといえば、野球選手のカードだった。現在では、ポケモンカードがこの座を奪っており、その熱は簡単には冷めそうにない。 しかし、ポケモンというコンテンツは20年以上続いてきた一方、ポケモンカードの人気がこれほど爆発したのはここ数年のことだ。ポケモンそのものの人気以外に、何がポケモンカードの人気を押し上げたのか。米誌「ファスト・カンパニー」がその秘密に迫った。 短期間で野球カードに勝利 親たちが野球選手のミッキー・マントルのカードを自転車のスポークに挟んでしまった思い出を語るのも、もう遠い過去のものとなった。最近の親たちは、収集品を大切にするよう語る際に、00年代初頭、初代の「ひかるリザードン」を昼休みのカードバトルに使って価値を下げてしまったことについて話すだろう。 だが実は、カードの状態や真偽の鑑定、グレードづけをする業界の最大手「PSA(

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  • 角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き | エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も

    エジプト出身の大砂嵐ら、試合前に舌戦も 角界“追放”の元力士が出場、米国流SUMOに現地メディアも驚き 2024年4月13日、米ニューヨークで開催された「ワールド・チャンピオンシップ・スモー(WCS)」で、トロフィーを掲げる大砂嵐とソスラン・ガグロエフら Photo: Roy Rochlin / Getty Images 米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで相撲の世界大会とされるスポーツイベントが開かれ、米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、観客はプロレスさながらのリングネームや相手選手への挑発も含む“米国流”の相撲を興味津々で楽しんだという。 同大会には、大相撲の元幕内で引退勧告の処分を受けたエジプト出身の大砂嵐や、大麻所持事件で日相撲協会を解雇された元若ノ鵬とみられる選手も出場。それぞれ現地メディアの取材に応じている。 「礼儀正しい日の相撲」と大違い 複数の現地メディ

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  • 『三体』原作者の劉慈欣「人類が直面している最大の不確実性を知ってほしい」 | ネトフリの実写版が世界的ヒット

    2008年に中国で出版され、2014年に英語版が出たのを機に世界的ベストセラーとなった長編SF小説『三体』。3月には『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣による実写ドラマ版が配信され、いまなお新たなファンを獲得している。英紙「ガーディアン」が、作のヒットの理由やSFとの出会い、実写化、そして物議を醸した過去の政治的発言について、著者の劉慈欣に聞いた。 「中国にもSFはあるの?」 中国人作家・劉慈欣によるSF小説『三体』は世界中で数千万部を売り上げており、2015年のヒューゴー賞をはじめ、数々の賞を受賞している。作はいま、『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作陣が手がけた実写版が公開されたのを受け、英語版がふたたびアマゾンのベストセラーチャートにランクインしている。 しかし、10年前の英国で、劉や『三体』の名を聞いたことがある人はほとんどいなかった。この小説は、現代の科学者たちの怪死事件を発端

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  • フランス料理は“オワコン”か? 復権をかけた国家戦略を英紙が皮肉る | 魚のさばき方を仏人シェフが日本で習う日が来るかも…

    過去の栄光にあぐらをかくのは間違い フランス料理がかつてのような世界的地位を失いつつあることに危機感を覚えたマクロン政権は、来たるパリ五輪に向けて自国料理の復権を図ろうと、「フランス高級料理」国家戦略を発表した。 その戦略について、オリビア・グレゴワール観光相が仏紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ」の取材に応えている。 なぜ高級料理のための戦略を発表したのかとの問いに対して、グレゴワールは次のように言う。 「フランスは偉大な美の国であり、世界中でもそのように認められています。とはいえ、国際舞台での競争が激しさを増して久しく、影響力を失いつつあります。過去の栄光にあぐらをかいているのは間違いであり、われわれはこの分野での優位をふたたび確かなものにする所存です」 この計画の主軸は何かとの問いに対して、3点挙げられるとグレゴワールは答える。

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  • 古今東西、人はなぜ「動物の脳」を食べてきたのか | 「脳食」擁護論

    「『ステーキはべられるけど、牛の脳なんて、これまで聞いたなかでいちばん極端なべ物だ』と人々が言ってもいまはおかしくありません。でも歴史を通じて、それは問うまでもないことでした。『どの文化で脳がされたのか?』と問う必要などなかった。誰もがそれを丸ごとべていたのですから」 そう語るのは、内蔵の料理を書いたヘルスコーチのアシュリー・バンハウテンだ。 伝統的に、多くの文化で動物の脳はごちそうと考えられてきた。そしてそれは、無駄ゼロの精神からというだけではなかった。濃厚で、脂肪分に富み、繊細な脳の舌ざわりと風味はユニークで、しかも脳はほかの部位と比べて手に入れるのが難しかった。 動物ごとに脳はひとつしか取れないというだけではない。自身のブログ「オファリー・グッド・クッキング(内臓的にいい料理)」で内臓肉の摂取を啓蒙する料理記者のジャニン・ファルジンは言う。 「頭蓋骨を切り開くのがものすごく

    古今東西、人はなぜ「動物の脳」を食べてきたのか | 「脳食」擁護論
  • 「自分が快適なのが一番」パジャマで出勤しはじめた中国の若者たち | “進化系”オフィスルックに衝撃

    夢も希望もない、消費もしない、必要最低限のものさえあればいい──そんな「寝そべり族」と呼ばれる若者が中国で増えていることは以前から報じられてきた。この現象には、若者の就職難や激しい競争社会での疲弊などが影響していたが、最近では安定した仕事に就きオフィスで働く若者までも、やる気を失っているようだ。米「ニューヨーク・タイムズ」紙によれば、同国の若者たちのあいだで「パジャマ出勤」がブームだという。 「私は自分が着たいものを着ているだけ。ただ座っているだけなんだから、職場にドレスアップしていく必要はないと思うんです」 インテリアデザイナーのシンディー・ルオ(30)は、同紙の取材にそう答えている。昨年、12月になって寒くなるとルオはオフィスでフード付きのトレーナーの上にふわふわのパジャマを着るようになった。そのうちそれが習慣になり、やがて彼女はパジャマのトップスだけでなくお揃いのボトムスを合わせて出

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  • 「不気味な“人口減少実験室”ニッポンで、いま起きていること」を仏紙が列挙 | 日本はもう「消滅した星」なのだろうか

    ちょうど50年前、日は世界で最初に出生率が人口置換水準を下回った。それ以来、頑なに移民の受け入れを拒否し続けた結果、この国はいま、世界にとって「混じりけがない人口減少」のサンプルになっている。 「この区画分けした芝生が、集合住宅のようなものだと想像してみてください」。そう話す井上治代(いのうえ・はるよ)は、死後の住宅の管理人だ。 井上が代表を務めるNPO法人「エンディングセンター」は、孤独な日人の生前と死後の支援をしている。このセンターの墓地は一ヵ所ごとに数百人を受け入れていて、亡くなった会員はそこで死後、再会することになる。いわば目に見えない小さな分譲地を割り当てられているのである。 桜の木が茂る美しい墓地を前にして、井上は「死の助産師のようなものが必要なのかもしれません」と哲学的なことを言う。 日の人口減少がどのようなものか、その必然的な結果として、生ける者がどれほど孤独に取り巻

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  • なぜいま、世界のトップシェフたちが「精進料理」に惹きつけられるのか? | 料理人たちとスピリチュアリティ

    とグルメを専門とするスイスのジャーナリスト、ヴェロニク・ツビンデンは2023年、『料理と精神性──シェフ、僧侶、採集家、禅徒のレシピ』(未邦訳)と題したを出版した。深い内容の詰まったこので、彼女はスピリチュアリティと高級料理の結びつきを探っている。 なかでも、日韓国の精進料理がいま、トップシェフたちに大きな影響を与えているという。仏紙「ル・モンド」がツビンデンにインタビューした。 世界のトップシェフたちが向かう先 ──あなたのは、長年にわたる調査、旅行、インタビューの結晶ですね。どのように始まったのでしょうか。 トリノで開催されたある美展で、チョン・クワンと出会ったことからすべてが始まりました。チョン・クワンは、韓国で非常に重要な禅仏教の宗派、曹渓宗の尼僧です。彼女が作るのは「寺刹料理」(註:日でいう精進料理)と呼ばれるもので、これは一種のホリスティック医療でもあります。と

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  • マット・リドレー「未来を悲観して子供を持たない若者が心配だ」 | 「合理的楽観主義の第一人者」が語る

    英国の貴族であり、科学ジャーナリストとして多数の著書を出してきたマット・リドレー。「合理的楽観主義者」とされる彼は、必要以上に未来を悲観することはないと考えている。スペイン紙「エル・ムンド」が、コロナ禍を経た現在の情勢を踏まえて取材した。 悲惨に思える現在も「前向き」でいられるか マット・リドレーはその好奇心から、性の進化を研究し、さらにヒトゲノム、そして徳の起源も研究した。彼の一番人気の著書『繁栄──明日を切り拓くための人類10万年史』は、30ヵ国語に翻訳され、100万部を売り上げている。 書のなかでリドレーは、今世紀、私たちは物質的進歩、環境的進歩の両方を享受するだろうと述べた。長い時間をかけ、人々の相互交流と専門化が進むことにより、人類のあいだに集団的思考が形成され、結果として生活の質が向上するのだという。 だが、グローバリゼーションの評価は現在、書が出版された当時より悪い。人類

    マット・リドレー「未来を悲観して子供を持たない若者が心配だ」 | 「合理的楽観主義の第一人者」が語る