ブックマーク / jp.gamesindustry.biz (40)

  • 【月間総括】ゲーム機が直面するビジネスモデル瓦解の危機

    今月は,第1四半期決算を中心に述べていくことにする。 ソニーグループのゲーム事業の2022年3月期第1四半期は,減収,そして大幅な減益だった。最大の要因は,ソフトが売れていないことと,これまで好調だとしていたアドオンの販売が落ち込んでいるためである。 十時CFOは,巣ごもりからのリスタート(再起動)でゲームをする時間が減少しており,コンシューマゲーム業界全体が縮小しているとコメントしていたのだが,少なくとも任天堂の決算を見ても,業界が縮小しているとは言い難いと考える。 そう考える理由が上記のグラフである。これは,ソニーのゲームソフトの売上高と販売数,そして任天堂の売上高と販売数をプロットしたものである。任天堂の売上高はハードが入っているので比較には適切ではないが,傾向はつかめると思うので掲載した。 PlayStationプラットフォーム(PS4+PS5)のフルゲームの販売数が,この2

    【月間総括】ゲーム機が直面するビジネスモデル瓦解の危機
  • 【月間総括】不調が鮮明になってきたソニーグループのゲーム事業

    今月はソニーグループと任天堂の決算の話をするが,日市場を「アニメをもとにしたゲームが主流の市場」とSIEが定義し続けると後悔するだろう,ということにも触れたい。 最初は第2四半期の決算だが,実績はソニーと任天堂で明暗が分かれた。 ソニーグループの決算は,ゲームの不調が鮮明になってきたと考えている。一般的にこれは不思議な話である。PS5は発売されて約2年が経過したところだが,先月も指摘したように普通であれば伸びてくるタイミングだからだ。 PS5の販売台数も330万台と前年同期比では伸びてはいないが,生産台数が650万台になったとの報告があり,台数は増えてきている(上図の累計台数参照)。 しかし,KPI(重要経営指標)は悪化しているのである。先月も,ソニーグループのKPIを掲示したが,第2四半期のソフト販売(PS4とPS5の合算)は6250万と前期比で1390万も減少している。しかも,コ

    【月間総括】不調が鮮明になってきたソニーグループのゲーム事業
  • ソニーグループがPS5を不振と言えない理由 〜言語化が現実を呼ぶ迷信〜

    今月はソニーグループとスクウェア・エニックスHDの決算について解説したい。まず,ソニーグループのゲーム事業の第1四半期は増収増益だった。詳細は後述するが,結論は「ゲーム事業は利益さえ出ていれば良い」まで後退したことが,ソニーグループとの議論でも再度確認できたことだ。 確かに増収増益で素晴らしい決算だし,投資家は利益が出ていれば評価するので,利益が出ていること自体は東洋証券でも高く評価している。しかし,それはあくまでも短期的な視点でしかない。 なぜかと言うと,PC版のGhost of TsushimaやHELLDIVERS 2の好調により販売増となったことに加え,為替の大幅な円安効果もあり,増収増益を実現しているためである。 だが,PCにもゲームを出した結果,ゲーム事業とは一体何を目的にしている事業なのかが良く分からなくなっている。 アナリスト的な意見なのだが,ビジョンや,目的が明確でないビ

    ソニーグループがPS5を不振と言えない理由 〜言語化が現実を呼ぶ迷信〜
  • 【月間総括】PS4並みで満足することになったPS5と期待が高まり過ぎている任天堂

    今月は予告通り,ソニーグループの決算と事業説明会について述べたい。ソニーの通期決算を述べても2023年度第4四半期の凄さは分かりにくいと思うので,早速以下の四半期決算のグラフを見ていただきたい。 第4四半期の営業利益が非常に高い伸びを達成しており,クリスマス商戦期を上回った(利益率も前年度の3.6%から9.6%に跳ね上がっている)。通常,第4四半期期(1〜3月)は閑散期であり第3四半期が上回ることはないが,前年同期比2.7倍という高い成長を達成した。この大きな要因はライブサービスゲーム「Helldivers 2」のヒットである。筆者も驚きだが,やはりライブサービスゲームは当たると大きい。 四半期で500億円以上の利益貢献はあったと推測しているので,資を投下したくなったのも頷ける。こんなに儲かると思うならジム・ライアン氏が傾倒してしまったのも無理はない話だ。 その結果ソニーグループの業績は

    【月間総括】PS4並みで満足することになったPS5と期待が高まり過ぎている任天堂
  • 【月間総括】誤った常識「高性能,独占,安価が素晴らしい」に陥り,抜け出せなくなったPS5とSIE

    今月はコンシューマゲーム市場について述べたい。コンシューマゲーム業界の状況が悪化しているのは,Sony Interactive Entertainment(以下,SIE)とMicrosoftゲームビジネスの質を理解してないからだと筆者は考えている。 その根拠は,ゲーム機が売れる要因について因果性を考慮せずに,思い込み(バイアス)だけで経営しているように見えるためである。 今回もゲーム業界に蔓延している思い込みについて話したい。 その思い込みとは以下の3点である。 (1)ゲーム機は性能が高ければ売れる (2)ゲーム機は独占ソフトがあれば売れる (3)ゲーム機は安ければ売れる これらは当たり前に,ゲーム業界の常識として語られてきたが,(1)と(2)については,多くの人が懐疑的になっている。そのことも含めて話していこう。 まず,「性能が高ければ売れる」について,Switchが世界を席巻してい

    【月間総括】誤った常識「高性能,独占,安価が素晴らしい」に陥り,抜け出せなくなったPS5とSIE
  • 【月間総括】年末商戦期で明確になったPS5の魅力のなさと,逆ザヤによる利益率低下

    今月は最初にソニーグループの決算について話したい。 ソニーグループの第3四半期全体は好調だった。ただ,ゲーム事業は大幅な増収となった一方,営業利益は大幅な減少となった。この理由は後に述べるとして,最初に結論から話すとPS5に魅力がないのではないか,ということである。 ジム・ライアン氏は一貫して,「PS5は素晴らしいゲーム機でPS4を上回る販売になるのは当然であり,2021年〜2022年にかけては半導体不足の影響を受けたことが大きいので,PS5はPS4を上回る実売になる」と豪語していた。 しかしPS5ハードの売上(着荷)台数は前年同期比で増えたものの,PS4のピーク970万台を大きく下回る820万台に留まった。半導体不足も解消し,万全の体制で臨んだ第3四半期は「Marvel's Spider-Man 2」の同梱版を旧型,新型ともに出すなど,同社では出来うる限りの販促施策を打っていた背景も考え

    【月間総括】年末商戦期で明確になったPS5の魅力のなさと,逆ザヤによる利益率低下
  • 【月間総括】任天堂の次世代機に対する考察と,PS6での大幅な路線変更への提言

    今月は任天堂の決算について述べたい。 任天堂の第2四半期決算は大幅な増収増益であった。ただ第2四半期3か月では伸び率は大幅に鈍化した。これは第1四半期が「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の発売で過去最高になった反動によるものだ。そのため業績的には,やや弱かったという印象だ。ただ7年目のゲーム機としてみた場合,かなり健闘しているとも言える。第1四半期でも用いたグラフを見てもらうと,分かりやすいだろう。 任天堂決算資料より(東洋証券作成) Switchの販売が上期はわずかながらプラスに転じている。 一般的には「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の効果と思われているが,以前も指摘したようにソフトの発売から2か月が経過してもSwitchの販売は好調で,古川社長も謎と話していた動きになっている。 なお上記の数字には「Nintendo Switch(有機ELモデル) マリ

    【月間総括】任天堂の次世代機に対する考察と,PS6での大幅な路線変更への提言
  • PlayStationはまたもやVita2の可能性を軽視した

    ソニーは携帯型ゲーム機には「限られたポテンシャル」しか認めていない。Switchの成功にもかかわらずだ ※以下,任天堂はSwitchを据え置き機と位置付けているので念のため Andrew House氏は,Bloombergとのインタビューで(参考URL),またもやソニーのフォーカスがハイエンドのリビングルーム用ゲーム機にあることを繰り返した。 同社はPSPとVitaである程度の成功を収めてきた。とくに後者は日では力強い活動を続けている。PlayStationの北米のボスであるShawn Layden氏は6月に,Vitaはまだ現役のプラットフォームであると語った(関連記事 )。これは主にアジアでの成功によるものだという。 しかしながら同社は,アジア市場のカーテンの外側で繰り返し述べている。携帯機はモバイルに置き換えられると。実際,ソニーはスマートフォンゲーム市場に足場を作るために努力してき

    PlayStationはまたもやVita2の可能性を軽視した
  • [CEDEC]「STREET FIGHTER V」のアートディレクションに見るイメージイラストを3Dで再現するカプコンの秘伝

    講演者の亀井敏征氏(カプコン第二開発部 第一開発室)は,前作「STREET FIGHTER IV」(以下,SFIV)の開発にも携わった人物だ。SFIVではゲーム体の開発を担当したディンプスに所属していたが,現在はカプコンに移籍している 格闘ゲームの老舗ブランド,「STREET FIGHTER」シリーズの最新作「STEERT FIGHTER V」(以下,SFV) は今年2016年2月に発売され,今やe-Sportsの格闘ゲーム部門では定番のタイトルとして人気を博している。CEDEC 2016では,そんなSFVのグラフィックス関連の開発秘話をまとめたアートディレクションに関するセッションが行われたのでレポートしよう。セッションタイトル名は「Street Fighter V Art Direction〜 格闘ゲームのアートの役割 〜」で,講演者はカプコン第二開発部 第一開発室の亀井敏征氏だ。

    [CEDEC]「STREET FIGHTER V」のアートディレクションに見るイメージイラストを3Dで再現するカプコンの秘伝
  • 小島秀夫氏:「みんな私にビッグなゲームを求めてくる」

    氏はKojima Productionsで小さなタイトルを手掛けたかったのだが,ゲーマーたちからは大きなゲームを求められているのだと説得されていた。 小島秀夫氏は,先ごろ開催されていたNordic Game Conferenceでキーノート・ファイアーサイドチャットで登壇し,人々から受ける期待の大きさやスカンジナビアのこと,スケジュールの管理について語った。 この通訳を交えたセッションで小島氏は,北欧地域におけるゲーム開発シーンの深みについての質問に答えるところからトークを始めた。なぜ,人口も大きくはないこの地域において,ゲーム開発が盛んに行われているのかを聞かれた彼は,その秘密を探るために北欧を旅しているのだと述べたのだ。「ストックホルムにあるDICEには8年前に訪ねたことがありますが,素晴らしい環境の中で,世界に向けて販売されていく素晴らしいゲームを作られていました。スカンジナビアでは

    小島秀夫氏:「みんな私にビッグなゲームを求めてくる」
  • ソニー「Vitaはまだ死んでいない。PSVRは今年中に需要に追いつく」

    ソニー・インタラクティブエンタテインメント アメリカのプレジデント兼CEOであるShawn Layden氏は,PSVRが100万台以上販売されたことも正式に発表した。 現時点でのNintendo Switchの人気とともに,プレイヤーの中にはPlayStation Vitaは不幸なことに,超ハイエンドな携帯機として時代を先取りしすぎていたと感じている人もいる。ソニーの携帯機は著しい進展を見せるのに苦戦している。ローンチから2011年の末までに400万台が販売されたが,ソニー・インタラクティブエンタテインメント アメリカのプレジデント兼CEOであるShawn Layden氏は,現時点ではほとんどアジア市場のためのものであるという認識であるとはいえ,そのシステムを信じている。 「Vitaはまだ存続能力のあるプラットフォームです」とLayden氏はThe Verge誌に語っている。「主に日とア

    ソニー「Vitaはまだ死んでいない。PSVRは今年中に需要に追いつく」
  • 【月間総括】PS5の初動はワンダースワン程度。ソニーは日本市場を見限った

    11月10日にXbox series X/S,11月12日にPlayStation 5が発売された。今月は,これについて詳細に考えていきたい。 結論から先にお話しすると,国内への供給が非常に少なく,大変失望した。ファミ通のデータでは,PS5は初週が11.8万台,2週目が4.3万台と惨憺たる数字である。Xbox series X/Sも同2.1万台,3600台,そして発売4年めでピークアウトがいつも囁かれるSwitchは11.6万台,16万台と両者を圧倒しているので,非常に少ない台数でのスタートとなったと言わざるをえない。 規模感ではPS4やSwitch初動の1/3程度にすぎない。そして,この台数は,撤退に追い込まれたセガのドリームキャスト,バンダイのワンダースワン,大きな損失を計上したPS3を若干上回る水準にすぎないのだ。 もう少し分かりやすくするために,グラフで視覚化してみよう。 ●発売か

    【月間総括】PS5の初動はワンダースワン程度。ソニーは日本市場を見限った
  • 天穂のサクナヒメの丁寧な耕作とローカライズ

    えーでるわいすとXSeedは,日の稲作シミュレーションの歴史的なルーツと,それを西欧に持ち込むことの難しさについて議論している。 えーでるわいすが天穂のサクナヒメの制作のために行った調査には,東京と日全国の主要な図書館への何度もの訪問,農学教授が書いた参考資料や論文の何時間もの閲覧,米作りキットの注文,自宅での米作りなどが含まれていた。 「米作りは,我々の日常生活と密接な関係がありますが,一般的な日人は米作りについてあまり知りません」とえーでるわいすのディレクターであるNal氏はGamesIndustry.bizにメールで語っている。「日の伝統文化についても同様です。米作りや伝統文化を研究することで,我々の目が開かれました。自分の身の回りのことをより深く理解することができ,やりがいを感じました」 えーでるわいすは2005年にスタートした同人ゲーム開発集団で,現在はディレクターのNa

    天穂のサクナヒメの丁寧な耕作とローカライズ
  • 【月間総括】ついにPS5正式発表,「リングフィット アドベンチャー」は「Wii Fit」の道をたどれるか

    【月間総括】ついにPS5正式発表,「リングフィット アドベンチャー」は「Wii Fit」の道をたどれるか まずは,次世代PlayStation改めPlayStation 5(以下PS5)から始めよう。10月8日の夜に,SIEの社長兼CEOであるジム・ライアン氏がPSブログ上で,次世代PlayStationについてコメントを発表した。 内容は, 名称は「プレイステーション 5」 発売時期は2020年の年末商戦期 コントローラにハプティクス機能を搭載 性能面の話はオンラインメディア「WIRED」にて発表 であった。 発売時期については,エース経済研究所は既に2020年の年末商戦期と想定しており,ほぼ予想どおりであった。 任天堂の故・山内氏がGCの発売が2001年7月から9月になった際,「クリスマスに間に合えばいつでもいい」といったように,ゲーム機の発売はクリスマス前が最適との考え方が当たり前で

    【月間総括】ついにPS5正式発表,「リングフィット アドベンチャー」は「Wii Fit」の道をたどれるか
  • [CEDEC]脳の動作クロックは33Hz? 人間のスペックに適合させたゲームの遅延対策とは

    2019年9月5日,日最大のゲーム開発者会議CEDEC 2019の2日めにバンダイナムコ研究所の森口明彦氏から,「芯(シン)・遅延対策2020 〜ヒトのスペックから導かれる安定性重視とフレームレートのベストプラクティス」と題する講演が行われた。 ゲームの体験で大きな問題になりうる「遅延」については,CEDECでもたびたび取り上げられ,森口氏も何度かCEDECで講演を行っている。遅延はプレイヤーの操作から画面に反映されるまでの時間差のことを指すものだが,今回の講演では,プレイヤー側の事情に踏み込んでどの程度の対策が必要とされているのか,どの程度の対策があれば十分なのかなどについて定量的な分析と考察が披露されたので,そのあたりを中心に紹介してみたい。 ゲームの処理サイクル(左)と人間の処理サイクル(右)。それぞれが一定の周期で処理を進めている 人間に対する視覚や聴覚の処理は小脳の運動中枢の一

    [CEDEC]脳の動作クロックは33Hz? 人間のスペックに適合させたゲームの遅延対策とは
  • Tim Sweeney氏に聞くEpic Games Storeが料率以外でも魅力的な理由 - GamesIndustry.biz Japan Edition

    フリーゲーム,顧客へのダイレクトアクセス,MODサポートなど,Tim Sweeney氏はEpic Games Storeの計画を明らかにした。 Epic GamesはSteamのライバルをローンチした。同社は12月4日にまもなくEpic Games Storeをオープンすると発表したのだ。新たなデジタル配信プラットフォームはSteamの利益配分である70:30を避け,デベロッパにゲーム収益の88%を渡すものとなっている。 Epic Games Storeは「手作業で選別されたPCMacゲーム」でスタートする。しかし同社は来年中により多くのゲームとプラットフォームでの開店を予定している。このストアではいろいろなゲームエンジンによるゲームが提供される予定だ。また,Epic Games StoreはUnreal Engineを使ったゲームにはちょっとした特典をつけている。店頭での売り上げでか

    Tim Sweeney氏に聞くEpic Games Storeが料率以外でも魅力的な理由 - GamesIndustry.biz Japan Edition
  • プラチナゲームズはもう二度とパブリッシャと組まないかもしれない

    有名デベロッパの自己資金による将来とIPを自社で所有する決断について共同設立者の神谷英樹氏と稲葉敦志氏が語る。 日の著名なデベロッパであるプラチナゲームズは,タイトルを市場に出すために第三者に頼らないという新たな門出を迎える。 設立からの10年間,同社はさまざまなパブリッシャのために評判の高い一連のゲームを制作したが,これらのパートナーシップでは同社に事後のフォローアップのオプションはほとんどなかった。任天堂は「ベヨネッタ 3」の開発で同社をサポートしているが,「MADWORLD」や「VANQUISH」のようなタイトルの権利はセガに残っている。 2017年,同社は劇的な戦略転換を発表した(関連英文記事)。もはや1年に1タイトル制作することを目指すのではなく,完全に権利を所有するゲームを作ることに焦点を当てていくという。2018年1月までに,開発のヘッドである稲葉敦志氏はプラチナゲームズが

    プラチナゲームズはもう二度とパブリッシャと組まないかもしれない
  • 【月間総括】21万本を売り上げた「Nintendo Labo」は何に失敗したのか

    今月は先月予告したとおり,「Nintendo Labo」の戦略的失敗について取り上げたいと思うが,その前に,先日行われたソニーの中期戦略説明会SONY IR DAY 2018についてお伝えしたい(関連記事)。その場で,SIEの小寺社長に質問する機会があったのだが,PSVRとスマートフォンゲームアプリが想定を下回り,学びがあったとの回答を得た。 以前からエース経済研究所では,まず,失敗を認めることがSIEの企業価値を長期的に向上させる第一歩と主張してきた。誤りを認めることは,とても勇気がいることである。公式の場で認めたことを大いに評価したい。 なお,音声アーカイブがソニーIRサイトにある。ぜひ,御聴取いただきたい(参考URL)。 題に入ろう。4月20日に任天堂は,ダンボールを使った新しい遊び「Nintendo Labo」を発売した。 メディアクリエイトによる発売4週間のデータでは「バラエテ

    【月間総括】21万本を売り上げた「Nintendo Labo」は何に失敗したのか
  • 2015年度ゲーム業界各社決算まとめ(その1)

    多くの企業で3月度の決算が出揃い,GamesIndustry Japan Editionではすでにほとんどのゲーム系上場企業の決算状況を報告済みである(関連記事一覧)。とはいえ,それぞれは非常に軽い記事だったのでもの足りない人もいるだろう。ここでは取り上げる企業を絞って,もう少し突っ込んだ話をしていきたい。ボリュームもかなり大きくなるので,何回かに分けて紹介できればと思う。 まず,お断りしておくと,ここでは期間表記の統一を図っており,3月度を基準とする2015年度(2015年4月1日〜2016年3月31日)に合わせて四半期表記を行っている。企業によっては9月度や12月度で決算を行っている場合もあったり,第5四半期があったり,1年間に第1四半期が何回もあったりとややこしいこともあるのだが,ここでは4月を起点とした統一表記とする。 各社のデータは決算短信などをもとに編集部で独自にまとめたものだ

    2015年度ゲーム業界各社決算まとめ(その1)
  • [Unite 2018]誘導ミサイルはどうやって作るのか? 基礎からCompute Shaderによる実装まで

    [Unite 2018]誘導ミサイルはどうやって作るのか? 基礎からCompute Shaderによる実装まで 2018年5月7日から3日間にわたって東京国際フォーラムで「Unite Tokyo 2018」が開催された。初日となる7日は基調講演だけだったが,8日と9日が終日専門セッションとなっていた。ここでは8日のユニティ・テクノロジーズ・ジャパン エンジニアの安原祐二氏の講演を紹介してみよう。 安原氏はかつてPlayStationで3Dスペースシューティング「オメガブースト」を作った人だ。……と聞いて「つまり神プログラマですね」と理解してもらえるかどうかは昨今では微妙だが,初代PlayStationの限界を超えるようなゲームを作った人であり,毎年Uniteでは「非力なマシンで軽々動いてるけどこれ当にUnity?」と言いたくなるようなデモを披露している。 今年の演題は「誘導ミサイル完全マ

    [Unite 2018]誘導ミサイルはどうやって作るのか? 基礎からCompute Shaderによる実装まで