ブックマーク / koken-publication.com (5)

  • 自民党の構造と政党政治のゆくえ  政治改革で見落とされた論点とは?【中北浩爾】【河野有理】

    『公研』2024年1月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。※この「対話」は2023年12月に収録しています。 自民党派閥のパーティー券裏金化問題が世間を騒がせている。 この問題の背景には何があるのだろうか、派閥の行く末は? SNS上では政治や宗教に対する過剰なバッシングも見られる中、 日政治の現状と過去、今後の見通しについて語っていただいた。 中央大学法学部教授 中北浩爾 × 法政大学法学部政治学科教授 河野有理 パーティー券問題に潜む「無責任の体系」 河野 日は「政治改革で見落とされた論点とは?」というテーマで自民党や日政治の今後について考えていきたいと思います。早速ですが、今回発覚した自民党のパーティー券裏金化問題について、中北先生はどのように見ていらっしゃいますか。 中北 今回の問題を理解しようとしたとき、私は丸山眞男の「無責任の体系」という議論を想起しました。メディアな

  • 降りられる社会・降りられない社会 今の日本を生きる個人の変化から【清水唯一朗】【富永京子】

    『公研』2022年8月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 安倍元首相が凶弾に斃れた。 今回の事件は日社会のあり方に遠因を求めるべきなのだろうか? このモヤモヤの背景には一体何があるのだろうか? 若者はバラバラで一括りにはできない 清水 今回の「対話」には、編集部から「安倍元首相の事件を踏まえた上で、今の日社会の姿や人と人とのコミュニケーションのあり方を考えるような議論をしていただき、いま漂っているモヤモヤしている何かをいくらかでも晴らして欲しい」という難しいリクエストがありました。どれだけ応えられるかわかりませんが、今の時代や社会について、これまでとは少し違った切り口でお話しできればと思います。 私はいわゆる団塊ジュニア世代です。誌の読者も多くが私と同じか、やや上の方でしょう。そこで今回は一回り若い富永さんに「対話」をお願いしました。若者と社会について考えてこられた富永さんで

    降りられる社会・降りられない社会 今の日本を生きる個人の変化から【清水唯一朗】【富永京子】
  • カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】

    カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】 『公研』2021年9月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。 日政府はCO2排出量を2050年までにゼロにすることを宣言した。この目標は実現可能なのか? なぜ世界各国が脱炭素に向けて突き進むのか? 「カーボンニュートラル」を徹底的に議論する。 気でやるのですか? 山形 菅義偉首相は、昨年の所信表明演説で国内の温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロをめざすカーボンニュートラル宣言を表明しました。今日はエネルギーの専門家であるお二人に、私が素人の立場からカーボンニュートラルに関する疑問を投げ掛けていこうと思います。 最初にお二人にお聞きしたいのは、「当にできるの?」「そもそも気でやるのですか?」ということです。エネルギーのことを知っている人に言わせると「ムリに決まっている」

    カーボンニュートラル論争――何がエネルギー政策の潮流をつくるのか?【穴山梯三】【大場紀章】【山形浩生】
  • 歴史小説家と歴史学者【呉座勇一】 

    『公研』2019年8月号「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 私は最近、井沢元彦氏の『逆説の日史』や百田尚樹氏の『日国紀』など、歴史学の成果を無視した「俗流歴史」の弊害をあちこちで書いている。 念のため断っておくが、私は「小説家が歴史を語るな」「専門家以外は黙っていろ」と主張しているわけではない。「歴史ノンフィクション」「歴史書」「通史の決定版」などと謳うなら、歴史学の研究手法・研究内容をきちんと学んでほしいだけだ。 別に歴史学界の通説を全面的に受け入れ、それ以外の説を唱えるな、と言うつもりはない。だが「俗流歴史」の書き手は、通説を一知半解で糾弾したり、通説を意図的に矮小化して不当な攻撃を行ったりする。通説を批判する前に、ちゃんと通説を学び、正しく理解すべきだ。 歴史学の研究手法を修得した者の研究であれば、その人が在野・民間の研究者であろうと、歴史学界が差別することはない。実際、歴史

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  • ガンダム監督の「敗北者宣言」【富野由悠季】

    『公研』2020年8月号 第 606 回私の生き方 富野 由悠季・アニメーション監督 父への疑念 ──「富野由悠季の世界」展が昨年6月より開催されています(現在中断中、再開は9月の予定)。 富野 今回の「富野由悠季の世界」展で「与圧服」の写真を展示しています。これの開発に父が関わっていて、家に資料が残っていました。 この機会でしかできない話を一つさせてください。父の経歴についてです。父は昔の中学を卒業したあと、東京府立化学工業学校(化工)という専門高等学校へ進んでいます。父のアルバムにあった化工の写真を見ると、3階建てのコンクリート校舎の中央に時計塔があり、石積みの外壁の正面には三つのアーチ状の飾りが施された扉がある立派な建物でした。その前に軍人たちが集まっている写真は、子供の頃は軍の部隊写真だと思っていた。ところが、父は「俺の学校なんだ」と言っていました。 僕はそのアルバム写真を子供の頃

    ガンダム監督の「敗北者宣言」【富野由悠季】
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