丸山真男『日本の思想』を読んでいるのだが、海外比較としての日本人の思考様式や精神性の解釈が非常にしっくりと腑に落ちる。 この本の書かれた年代は古いが、現在のSNS政治トピックスにおける論戦の様相などにも適用できる程度には、日本人というものの精神性の核をとらえているように思える。 例えばこれ ともあれ、こうした国学の儒教批判は、 (1)イデオロギー一般の嫌悪あるいは侮蔑、 (2)推論的解釈を拒否して「直接」対象に参入する態度(解釈の多義性に我慢ならず自己の直観的解釈を絶対化する結果となる)、 (3)手応えの確な感覚的日常経験にだけ明晰な世界をみとめる考え方、 (4)論敵のポーズあるいは言行不一致の摘発によって相手の理論の信憑性を引下げる批判様式、 (5)歴史における理性(規範あるいは法則)的なものを一括して「公式」゠牽強付会として反撥する思考、 等々の様式によって、その後もきわめて強靭な思想