東京電力福島第一原子力発電所の敷地内の貯蔵タンクにたまった汚染水を、2014年度中に全て浄化するという計画が達成困難であることが東電の試算で明らかになった。 試算によると、約35万トンの汚染水の浄化には今年10月以降に1日当たり1960トン処理する必要があるが、浄化装置「ALPS(アルプス)」の能力が追いつかない。東電の広瀬直己社長が昨年9月、安倍首相に約束した「14年度中に浄化」の実現は難しくなってきた。 試算は、福島市内で18日に開催された「廃炉・汚染水対策現地調整会議」で、東電が示した。 ALPSは、汚染水に含まれる63種類の放射性物質のうち、トリチウム(三重水素)以外の62種類を除去する装置で、現在、東電が1台を試運転中。東電によると、最大で同750トンの汚染水を処理できる設計だが、点検や部品交換などの停止期間も必要なため、実際には平均で同560トンしか処理できない。