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ブックマーク / call-of-history.com (2)

  • 「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」

    メキシコの麻薬組織のニュースは日でも盛んに報じられるようになった。大半は政治家や地元警察の幹部が殺されたとか、死体をバラバラに切り刻まれたとか生首が晒されたといった残酷極まるもので、相次ぐ目を覆いたくなるニュースに、メキシコで今何が起きているのかと驚かされる。 書は、近年激化の一途をたどるメキシコの麻薬組織抗争と政府の衝突について、著者が現地で当事者たちから丁寧な取材を行い、その全体像を明らかにした一冊である。第一部(第二章~第七章)では麻薬組織台頭の歴史が、第二部(第八章~第十二章)では麻薬取引の様子から生活、文化、信仰、殺し屋たちなどマフィアの実像が、第三部(第十三章~第十六章)では、現在の拡大するメキシコの麻薬組織の影響力、政府と組織、組織間の対立の構図、グローバル化するネットワーク、そして今後の展望について、400ページ以上、充実のボリュームで描かれている。 書の第一部約15

    「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」
  • 「動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)」ジョージ・オーウェル 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    人間たちを追いだして動物たちによる平等な農場「動物農場」を築いた動物たちの社会が、次第に恐怖政治へと転換していく様を描いたディストピア小説の古典の一つ。 第二次大戦中の1944年、「ソヴィエト神話を暴露する」ためにソ連指導部を家畜動物に模した寓話として執筆されたが、当時英国の同盟国であったソ連の体制を正面から風刺するという、題材が題材だけになかなか出版が決まらず、刊行されたのは戦後1945年のことだった。そのあたりの経緯は付録「出版の自由」でオーウェル自身が思いっきり不満をぶちまけているので、そちらも面白い。 ユートピアを目指して作られた新体制のはずが、いつしか変質して独裁体制が敷かれ地獄絵図が展開されるというディストピアのお手のような展開で、平易な文章の中に存分に風刺と皮肉と批判が詰まっていて単純なお話でありながらとても面白い。雄豚独裁者ナポレオン(スターリン)の腰巾着スクィーラー(モ

    「動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)」ジョージ・オーウェル 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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