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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (15)

  • 人質殺害事件に寄せて

    人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY

  • 嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月30日号掲載〕 6月30日、私は最近話題になっている嫌韓デモに行ってみた。このデモは東京の新大久保で何年も前から、毎週日曜日に行われているものだ。私は不安を胸に家を出た。自分の身も心配だったが、新大久保の人々のことも、日の対外イメージのことも心配だった。 実は新大久保はサンフランシスコのチャイナタウンやパリの日人街と同じような「観光スポット」だ。外国人にとって、新大久保のコリアンタウンを歩くことは伊勢丹新宿店の地階と同じくらい楽しさと驚きに満ちている。伊勢丹が日がいかに洗練されているかを示しているとすれば、新大久保の街が示しているのは日が外国人に対してフレンドリーで開かれた国であり、他国の文化が生き生きと存在できる国だということだ。 だがデモのせいで、新大久保は日が外国人にとっていかに不快な国になり得るかを象徴する場所となった。嫌韓デモ

    yingze
    yingze 2013/08/18
    しばき隊がいなければとても納得出来る記事なんだけどなぁ。
  • アップルの「旨み」

    「神経病!」(キチガイだ!) 周囲の人たちはみんな一言、吐き捨てるようにこう言って顔をしかめた。わたしの知っている限り、彼らの半数以上はアップルのiPhoneiPadのユーザーだ。もちろん、自宅や職場で使うコンピュータがマックだったり、スマホもタブレットも全部アップル製品で統一している人もいる。 だが、顔をしかめたのはそうした「果粉」(「アップルファン」の意。アップル「蘋果」とファン「粉絲」を掛けあわせた造語)だけではない。アンドロイドやウィンドウズPCにこだわりを持っている人たちですら、今のこの騒ぎになんともいえない気分を抱いている。中国でスマホやタブレットを使う人でここ1週間、この騒ぎを話題にしたことがない人はいないはずだ。 「この騒ぎ」とは、前回拙稿「権利とメディア」で触れた「315晩会」以降、激しさを増す「アップル叩き」だ。 3月15日の「世界消費者権利デー」に国営全国テレビ放送

  • シェール革命とはいうけれど

    アメリカはシェール革命に沸いています。これまで天然ガスの輸入大国だったアメリカが、一転して天然ガス輸出国になりそうだというのですから、大きな変化です。 シェールガスの採掘が始まっている地方では、全米から人が集まり、好景気を謳歌しています。私も去年3月、アメリカの採掘現場を取材しましたが、掘削が極めて簡単な上に、いったん掘り当てれば、後は自然に噴出してくるのですから、管理も楽です。 シェールガスとは、地下深くにあるシェール(頁岩)の隙間に存在する天然ガスのこと。シェールオイルは、ここに埋蔵されている石油のことです。 このシェール層の岩盤を破砕してガスや石油を取り出す技術アメリカで開発されたことにより、大量の天然ガスや石油が新たに採掘できるようになりました。これがシェール革命です。誌日版12月12日号は、これを特集しています。 特集記事は、こう書きます。「最新の、ただしかなり乱暴な掘削技

  • NY地下鉄で死ぬ直前の男の写真が撮られたとき、他の乗客は何をしていたか

    ニューヨークのタブロイド紙『ニューヨークポスト』が火曜、前日に地下鉄駅で起きた事故を報じた。いや、正確には事故になる瞬間を報じたと言った方が正しいだろう。 乗客同士の言い争いで50代の男性がホームから突き飛ばされ、そこに入ってきた電車に挟まれて死亡した。ニューヨークポストが1面で大きく掲載した写真は、ホームに手をかけ数メートル先に迫った電車のほうを振り返った男性の姿を捉えている。タイトルは、「万事休す、線路に突き落とされた男が死に行く瞬間」。 この事件は、いくつもの意味でいたたまれない気持ちにさせる。 まずジャーナリズムの観点から、こんな写真を載せる必要があったのかという点。数秒後に死のうとしている人間の姿を晒すことに、センセーショナリズムを煽る以外の意味があるのか。 もし事故の様子を伝えることが目的だったのならば、文章で説明し、写真は意図的に掲載しないという選択肢もあっただろう。だが同紙

    yingze
    yingze 2012/12/06
    日本と違って緊急ボタンが無いのか? こういうときは救助だとしても絶対ホームに降りては駄目なんだよね? 色々モヤモヤする記事。/翻訳記事じゃないのか・・・
  • 習近平の新時代へ

    とうとう、胡錦濤の時代が終わり、習近平の時代が始まった。5年前の中国共産党の党大会で次期指導者として指導部メンバー入りして以来、その動向が注目され、どのような時代が来るのか、世界中のメディアの憶測を呼んできた習近平。世界の主だったメディアは今回の党大会に先駆けて10月頃から次期指導部を占う予測記事を集中させてきた。 今回習が選出されたのは中国共産党総書記という役職で、完全に胡錦濤の職を引き継ぐのは来年3月に開かれる全国人民代表大会で国家主席に選出されてからである。だが実際にはすでに胡錦濤の陰は一挙に薄くなり、習の動向に人々の目は釘付けだ。前回のこの欄で触れた某ネットユーザーの予測通り、胡は軍の指導権を持つ党軍事委員会トップの職も習に明け渡して「裸退」したため、それも仕方ないが。 実のところその習がどんな人物なのか、まだそれほどよく知られていない。老共産党幹部の子弟「太子党」であることは客観

  • 尖閣問題で大騒ぎする中国人の「本音」は

    今週のコラムニスト:李小牧 〔10月10日号掲載〕 歌舞伎町案内人の私が3度泣いた──。に愛人の存在がバレた嘘泣きではない。わが母国の中国と、第二の祖国である日のひどい衝突ぶりに涙したのだ。 日政府の尖閣諸島「購入」に怒った中国のデモが暴徒化して日企業の工場に放火し、日系デパートから時計や貴金属を盗んだ。デモと破壊活動が頂点に達した満州事変勃発日の9月18日前後、私は心配と興奮のあまり、3日間ほとんど寝ずにニュースの進展を見守った。 「趾高気揚(チーカオチーヤン、どや顔)」でひっくり返した日車の上に乗るようなバカな中国人の姿ばかりが目立ったが、マイクロブログ新浪微博(シンランウェイボー)では意外に冷静な意見が目立っていた。それに今回のデモ参加者数は数万人。13億人の全人口から比べれば、0・01%にも満たない。 まったく言い訳できないひどい暴力だ。とはいえ、この問題でなぜこんなに中

  • それでも日本は走り続ける

    中国は9月30日の中秋節から国慶節(10月1日)の8連休に突入、それが明けると休み前の反日デモが醸造した重苦しいムードから開放された。そして、日でも連休明けのメディアで話題のノーベル賞が、国際情勢に敏感な中国人ネットユーザーたちの間で注目を集めている。 こんな「フェーズの転換」は11月8日を「X-day」とみなしているだろう中国当局にとってありがたいはずだ。いや、これも計算済みだったのかもしれない。だが実際はノーベル賞を見つめるレベルの人たちは片時も先日の騒ぎを忘れておらず、ノーベル賞が証明する「日中国の差」をはっきり意識しているのだが。 それは一部の日人が想像するような単純な「酸っぱい葡萄」ではない。逆に彼らは数年前の民主活動家、劉暁波の平和賞受賞に歓声を上げた人たちで、「酸っぱい」どころか、先月の信じられないような暴動を苦々しく思っている。あわせてGDP世界2位のこの国に何が足

    yingze
    yingze 2012/10/11
    指摘を受けて間違いがあれば訂正するのが中国人知識層の素晴らしいところだよね。羨ましい。
  • 中国の人権問題を日本人が無視する代償

    今週のコラムニスト:李小牧 〔5月30日号掲載〕 彼に初めて会ったのは、数年前に東京の明治公園で開かれたイベントだった。歌舞伎町案内人として超有名な私がメインゲストとして挨拶するのだと思っていたら、最初にマイクを握ったのが彼で思わずむっとした(笑)。さらにこの人物はあろうことか、中国からの「高度な自治」獲得を訴えるウイグル人だった。 彼の名前はイリハム・マハムティ。外国に住むウイグル人を束ねる世界ウイグル会議傘下の日ウイグル協会の代表だ。漢族として中国教育を受けた私にとって、少数民族の「独立」を求める動きは分裂主義にほかならなかった。ただ日に20年住んで自由な報道に触れ、自分が中国で受けた教育はおかしいのではないかとも感じ始めていた。 イリハム氏のスピーチで一番印象に残ったのが、「何十万人というウイグル人女性が、漢族と結婚するため新疆ウイグル自治区の外に移住させられている」という話だ

  • 英米間の隙間風

    から遠く離れた南米の島をめぐり、イギリスはアメリカの態度に失望しています。この事実は、領土をめぐり周囲の国との関係が緊張して日にとっても、けっして他人事とは言えません。 誌日版2月29日号の特集は「イラン危機」。イランの核開発をめぐるアメリカとイスラエルとの関係など読ませる記事は多いのですが、私が注目したのは別の記事。フォークランド諸島をめぐる英米関係を扱ったものです。題して「同盟国を見捨てるオバマ」。 この場合の同盟国とはイギリスのこと。南米アルゼンチンのすぐ目と鼻の先にあるフォークランド諸島をめぐる問題です。ここはイギリスが実効支配していますが、アルゼンチンは「マルビナス諸島」と呼んで自国の領土だと主張しています。 1982年、アルゼンチンの当時の軍事政権は、フォークランド諸島を占領しました。国内で政権に対する国民の不満が高まると、国の外に危機を作り出して自国民を団結させると

    英米間の隙間風
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    yingze 2012/02/29
    自国で軍事力を揃えるのは金が掛かるがやるしかないのだろうか?
  • 中国で一番有名な日本人、加藤嘉一君への手紙

    今週のコラムニスト:李小牧 [7月6日号掲載] 尊敬する加藤嘉一君へ──。 先日は日の震災をテーマにした香港フェニックステレビのトーク番組の収録、お疲れさまでした。このコラムをまとめた『歌舞伎町より愛をこめて』(阪急コミュニケーションズ)の中国語版『日有病』の前書きも書いてくれてありがとう。中国版ツイッター新浪微博に60万人のフォロワーがいる君に書いてもらえば、完売間違いなしです。 君は18歳のときに単身、名門の北京大学に留学。05年の反日デモのときに留学生会長として流暢な中国語でテレビにコメントして注目を集め、以後、中国でジャーナリストとして活躍を続けています。中国語で出版したも既に6冊。君が「中国で一番有名な日人」なのは間違いありません。まさに「勢如破竹(破竹の勢い)」ですね。 私と加藤君は最近、日で共著を出した仲でもあります。しかし私は人生の先輩として27歳の君に伝えなけれ

    中国で一番有名な日本人、加藤嘉一君への手紙
    yingze
    yingze 2012/01/06
    こんなことがあったのか。
  • 「カロリーベース」という幻想を捨てれば日本の農業はハイテク産業になる

    TPP(環太平洋パートナーシップ)に対して農林水産省や農業団体は「関税が撤廃されたら日の農業は壊滅する」という。土地の狭い日の農業は高コストで、海外の安い農産物が入ってきたらひとたまりもないというのが彼らの主張だ。しかし世界第1位の農産物輸出国はアメリカだが、第2位はどこか、ご存じだろうか。 オランダである。面積は4万平方キロと日の1割強。農地面積は世界の0.02%しかないのに、農産物の輸出額は世界の1割近い。農家一人あたりの年間輸出額は14万6000ドル(約1100万円)と、世界トップだ。その主力はよく知られている花や観葉植物だが、トマト、ズッキーニ、パプリカなどの野菜も多い。しかもその輸出額は毎年のびている。高級農産物は成長産業なのだ。 他方、日の農水省は「カロリーベース」の料自給率を高めることを政策目標にしている。日で消費される農産物のうち、国内生産の比率は金額ベースでは

    「カロリーベース」という幻想を捨てれば日本の農業はハイテク産業になる
    yingze
    yingze 2011/11/18
    自分はカロリーベースでよいと思う。
  • その男、危険につき

    中国当局はなぜこんな失策をしでかしたのだろう。 11月15日までに1552万人民元(約1億8千万円あまり)の支払いを命じられたとされる、中国の芸術家艾未未氏のもとに、その通告からわずか1週間余りでなんと600万人民元を超える募金が集まった。艾氏はこの募金を「借入金」、そして募金者を「債権主」と呼び、「無利子だが1年後に0.01元に至るまで返済する」と公言している。 人ではなく、彼の支援者が呼びかけたこの「艾未未の債権主になろう」活動は、ここ半年ほど彼の周囲を覆っていた暗い気分を一挙に吹き飛ばした。募金額とその募金者数は1日2回、午前と午後に支援者によってツイッターを通じて1ケタに至るまで報告されている。 それらは中国最大のオンライン決済サービスである「アリペイ」や、支援者個人の中国建設銀行口座、さらに郵便送金を通じて届けられる。一時は外国からの送金も考慮して国際的な決済サービス「ペイパル

    その男、危険につき
    yingze
    yingze 2011/11/10
    こんな骨太のおっさんだったのか。
  • 加藤嘉一くんはなぜ「中国で一番有名な日本人」なのか

    Newsweek Japan誌に掲載された李小牧さんのコラム「中国で一番有名な日人、加藤嘉一君への手紙」を読んで感じたところを先日、ブログを書いたところ、ツイッター上で大論争が巻き起こった。わたしは、中国人として日語と中国語で発言する李小牧さんが、日人として中国語で、また最近は日語でも発信し始めた加藤くんに「先輩」として向けた言葉は非常に意味があると思っている。しかし、日人読者がその李さんの言葉をタテに加藤くんの若さや経験不足をあげつらうのはどうかと感じている。 その時の討論内容についてはインターネットで読めるので、ここでは特に取り上げない。しかし、一人の中国在住の日人としてわたしは、加藤嘉一くんという27歳の若者が「なぜ中国で一番有名な日人になったのか」を、もっと日人は知るべきだと思う。ここで言いたいのは彼の生い立ちではなく、彼が「一番有名な日人」になった背景である。

    加藤嘉一くんはなぜ「中国で一番有名な日本人」なのか
  • あの素晴らしい中華帝国をもう一度

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 尖閣諸島問題にノーベル平和賞騒動と、最近、中国関連のニュースが絶えない。もっとも、最近に限らず近年の中国は日におけるニュースの主役だった。そして、それは大きく分けて3つの方向性をもっていた。 第1は、人工衛星発射、北京オリンピック、上海万博、米中関係の進展、軍事力増強、中国人観光客の急増など「躍進する中国」、「台頭する中国」というイメージに符合するものだ。 第2は、ギョーザ事件、歯磨き粉や粉ミルク事件など「メイド・イン・チャイナ」に対する不信感や、偽ディズニーランドや偽ブランドなど偽物や海賊版など、主に中国の経済・商行為や慣習などに関する違和感や懸念が示されたものだ。 第3は、チベット、ウイグル問題など、中国の体制に対する懸念や反発が根底にあるものだ。反日デモなどもこのカテゴリーに含まれると言えよう。論調は定まった観がある。中国は世界の大国として、人

    あの素晴らしい中華帝国をもう一度
    yingze
    yingze 2010/10/12
    希望持ちすぎだろ
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