ライターの大塚幸代さんの突然の訃報を知り、驚きとともに、何とも言えない喪失感に捕えられている。 いつの頃からか雑誌やネットで、自分の好きなアーティストの記事で大塚さんの名前を見かけることが多くなっていた。同じ年の同じ2月生まれだったこともあり、「自分と同じ何か」を感じる存在だった。90年代の中頃、フィッシュマンズの都内のライブでは、きっとすれ違っていたと思う。 大塚さんに直接会ったことはないけれど、一度だけメールのやりとりをしたことがある。2004年、デイリーポータルZの記事「お一人様、朝までカラオケ」に感動してその感想をメールしたら、大塚さんから返信をもらった。短いメールだったけれど、『クイック・ジャパン』でアルバイトをしていた私の友人について「〇〇さん、知ってますよ〜」と温かい調子で応えてくれた。そして、その記事の中の「自分の青春に復讐される」というフレーズは、大塚さんと彼女が愛した音