前大統領トランプへの支持を呼びかける選挙用ヤードサイン。遠くに雨雲が見えた 2024年アメリカ大統領選は、9月2日のレーバー・デー(労働者の日)を経て、いよいよ最終盤に突入した。前大統領トランプの暗殺未遂事件、現職大統領バイデンの電撃撤退、副大統領ハリスの継承と支持率の急伸など、連日の大ニュースに追われ、現地で取材する日本の記者も目の回る日々を送っていることだろう。 全米の選挙集会に足を運ぶ。飛行機で拠点空港まで移動し、そこからレンタカーでアメリカ大陸を走り回る。睡眠時間を削りながら、毎週のように1千キロを移動している記者もいるかもしれない。 それだけ取材に回っても、少なくなりがちなのが地方発の情報だ。候補者の取材で地方を転戦しても、じっくり取材して回るほどの時間は確保できない。そこで今回は3回に分けて、選挙戦の行方を左右するとみられている中西部ラストベルト(さび付いた工業地帯)の政界関係