久しぶりに会ったあいつはまだ中学生だった おれとさくらが出会った頃はお互い小学生 なんならさくらの方が少しお姉さんでカードをキャプターする姿に憧れていた ある日の回でローラーブレードで疾走するさくらのパンツが見えそうだった 見えてなかったけどおれには見えた気がしてドキドキした 初恋だった 夢中になって近所の古本屋さんを巡って同人誌を探したしゲームセンターでフィギュアを見つければ救出した パソコンを手に入れたおれはさくらの画像を集めた とにかく集めてずっと眺めていた そんなある日ふと気付いてしまった どんなにさくらを集めてもこっちの世界にさくらは実在しないのだと そんなの当たり前だ そう思うかも知れないが当時のおれには衝撃的な事実で本当に涙した どうやってもさくらには会えない それ以来おれはさくらを無視することになる そして今日数年ぶりにさくらと対面した おれはキモくないし金もあるアラサーの