光と音を失っても 目が見えず、耳も聞こえなくなる。それは「宇宙空間に一人だけで漂っているような状態だ」と著者は言う。本書は9歳で失明し、18歳で聴力も失った盲ろうの東大教授の思索の道筋をつづったものである。 多くの少年のように天文少年だった著者は、小学三年生のときにお父様に天体望遠鏡を買ってもらう約束をする。「しかし、それからまもなく私は失明してしまい、二度と星の光を見られなくなりました」 その後、専ら音の世界で生きていた著者は、18歳で耳が全く聞こえなくなる。その極限状態で著者が最も大切だと感じたこと、それは他者とのコミュニケーションだったという。「私が最もつらかったのは、見えない・聞こえないということそれ自体よりも、周囲の他者とのコミュニケーションができなくなってしまったということです」 お母様による指点字の考案によって、コミュニケーションの手段を取り戻す件(くだり)が素晴らしい。指を
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