コンピュータの出現と人間疎外、そして「個人情報保護」へ 鈴木正朝氏 ―そもそも、「個人情報保護法」は何を守るための法律なのでしょうか? 鈴木 わかっているようで、よくわかりませんよね。とりあえず、個人情報保護法の第一条(目的)には、「個人の権利利益の保護」と書いてあります。日本国憲法は「個人の尊重の原理」(13条)をベースに各種人権を保障していますから、この憲法に基づいている全ての法律は、最終的には「個人の権利利益の保護」に帰着するともいえますよね。全ての法律に通底しているような法目的でちょっと漠然としているよなぁという感じを抱きます。ここは、個人情報保護法に固有の真の法目的って何だろうともう一段深く考えて確認しておかないと、単に決まりだから守るという風になってしまいかねない。実際、現場では、「利用目的を書いておけばいいんでしょ」「同意を取っておけばいいんでしょ」という、安易な風潮もみられ
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