10月8日から数日間、国際成人力調査が各紙で報道された。国際成人力調査はOECDが世界24か国・地域で実施した大規模調査で、日本は読解力と数的思考力で1位、ITを活用した問題解決力で10位だった、というのが記事の概要である。わが国の教育制度や就職後の社内教育が優れていることの証明である、と多くの記事に書かれていたが、僕は大きな疑問を持った。 第一は「成人力」という奇妙な用語を用いている点。文部科学省が10月8日に「OECD国際成人力調査(PIAAC:ピアック)日本版報告書の公表について」という報道発表を行っており、その用語をそのまま用いたのが原因である。報道発表には、ITを活用した問題解決能力が低く評価されたのは、わが国で比率が高かったコンピュータ調査を受けなかったものも母数に含めたのが原因で、コンピュータ調査を受けた者だけなら我が国は1位である、という負け惜しみのような記述もあったが、そ
![「成人力」報道は記者の怠慢](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bc2f7c15e07b9108abe086a1130db9042626040d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg.huffingtonpost.com%2Fasset%2Fdefault-entry.jpg%3Fops%3D1200_630)