本章では,「子どもの情報行動」に関係する各種施策のうち,特に(1)子どもの読書活動推進,(2)違法・有害コンテンツ規制,(3)インフォメーションリテラシー・情報活用能力の涵養の3つを取り上げて,背景,経緯,動向について紹介する。その上で,これらの施策のもと,学校や図書館,図書館類縁機関がどのような活動を行っているのかについて,現況を紹介する。 これに先立ち本稿では,これら個別の施策に通底する,府省を横断した政府全体の情報政策,戦略スキーマについて,1990年代後半から時系列で概観する。個別の施策については,特に「子どもの情報行動」に関係のあるものについて,その概要を紹介する。ただし各種審議会での議論及び答申については,本稿では取り扱わない。 なお本稿では,金容媛に倣い,情報政策の概念を「政府が,情報社会の実現のため設定した,情報生産・情報流通・情報応用・情報制度などの目標達成のため行うすべ