2022年6月22日、兵庫県尼崎市によるUSBメモリの紛失事案が発生したことは記憶に新しいでしょう。本連載でも同事案を“アンチパターン盛り合わせ”として取り上げました。ここから多くのことを学ぶことができたでしょう。 尼崎市は2022年11月28日、本件についての調査報告書を公開しました。これによれば、事件発生時の会見で話題になった“英数字13桁のパスワード”については「本件事案発生直後にSNSなどでうわさされていたような容易に想像がつくパスワードではなく、文字種が多彩でブルートフォース攻撃に対して耐性の高いパスワードが設定されていた」(16ページ)とあります。 また、尼崎市とBIPROGY(元、日本ユニシス)の間では「『amagasaki』『Amagasaki』『AMAGASAKI』や、これらに単に日付を追加するだけの、いわば辞書攻撃をするまでもなく誰でも簡単に思い付いてクラックできるパス