5年前に不倫していた。 結婚後3年目、いわゆる倦怠期ってやつなんだろうか。 今考えると愛が無い結婚だった。いや、愛を見ていたのは自分だけで、配偶者は愛と書いてある看板を掲げていただけだったのだろうか。「旦那というお金を運んできてくれるモノ」が欲しかったようだ。 自分としても若気の至りというやつだったのかもしれないし、あるいは半分はそんなものとしか思っていなかったのかもしれない。でもその当時の思いなんて今の自分にはもうわからない。 配偶者から「愛する人」ではなく「ただの家族」としか扱われないストレスが、そのような行動に向けさせたと言うにはいささか虫が良すぎるのは承知の上。 それでも会社で妻のことを頻繁に話題に出す私に、彼女は好意を持ってくれた。そんな私の時間を少し自分に分けてもらえるのが嬉しかったとも言ってくれた。 ともかく今、引越しの準備をしようと、PCの中のデータを整理していて、98年に