現代数学はZFC公理的集合論の中で展開可能と言われている。 そのためZFCは数学の基礎と言われていた時代もあった。 (現代集合論は、もはやそれ自体が研究対象である。) ZFCの上での議論を厳密に展開するためには、1階述語論理 というフレームワークが使用されることが多い。自然言語による 推論よりも深い議論を行うためにはZFCの公理を形式的な言葉 に翻訳する必要があるためである。 ここで、ならば数学の真の基礎は1階述語論理なのではないか? ZFCも1 階述語論理の理論の一つにすぎないのだから、という 疑問が生まれるかもしれない。これはある意味では真だが ある意味ではナンセンスである。なぜならば我々が真に興味がある のは、ZFC そのものの抽象的な性質であり、1階の論理は あくまでも便利な議論の場を提供するだけなのである。 プログラミングの言葉で言えば、1階述語論理は確かに重要だが あくまでも実