コミックブックはあらゆる意味で芸術と呼べるものだが、なかでも――とりわけスーパーヒーローのコミックにおいて――芸術として最も過小評価されているのは、それが悲劇の最中でも読者を大笑いさせることができるという側面かもしれない。もちろん、世の中には悲しいコミックもあれば深刻で憂鬱なコミックもあって、コミックを原作とした映画についても同じことが言える。しかし、もしもあなたが、私が最初に述べたようなコミックの一側面を愛する人であるならば、『マーベルズ』を見てきっと素晴らしい時間が過ごせるのではないかと思う。 監督を務めるニア・ダコスタは『マーベルズ』がMCUデビュー作となるが、本作はエンドクレジットの後もニヤニヤが止まらないような映画に仕上がっている。メインキャラクターとなる3人の女性たちに期待するハートとスピリット、活力がすべて詰まった作品となっているのだ。キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)