地球上で最も悲劇的な場所 チリ、カタルーニャ、イギリス、フランス、イラク、レバノン、そして香港の街角にデモ隊の声が鳴り響き、新世代の若者たちが、地球に起こっていることに対して激しい怒りを表明するなか、それとは少し違ったことに支配されてしまったある場所について話すことをどうかお許しください。 かつて、インドには異議を唱えることこそが「最良の輸出品」だった時代がありました。 しかしいま、西洋でさえ人々が運動に参加しているにもかかわらず、私たちがかつて繰り広げてきた、社会的平等や環境のための反資本主義の闘い、反帝国主義の運動──大規模ダム建設や、河川や森の私有化、先住民の大規模な強制移住や差別への反対を謳った数々のデモ行進は、すっかり鳴りを潜めてしまいました。 2019年9月17日、ナレンドラ・モディ首相は、インド中西部のナルマダ川流域に建設されたサルダル・サロバル・ダムで自身の69歳の誕生日を
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