自分はこの歳になっても日曜朝の特撮タイムを一週間の楽しみの一つにしているおっさんなのだが、おっさんになる遥か昔からウルトラマンやスーパー戦隊やメタルヒーローの方がライダーよりも好みで、現在も平成ライダーの方が昭和ライダーよりも好きだったりする。 理由は簡単で、ライダーはウルトラマンやスーパー戦隊ほど再放送しなかったからだし、ものごころついた時に放送されていたのがメタルヒーローだったし、昭和ライダーは平成ライダーほどソフト化の機会に恵まれていないからだ。 そんな自分にとって、伊上勝は謎の男だった。 金城哲夫のように研究本が山と出版されているわけでもなければ、佐々木守のように著書や脚本を務める作品が死の間際まで発表され続けているわけでもなかった。当然、市川森一や上原正三や長坂秀佳のように今も存命なわけでもない。日本の特撮ドラマの原型を作ったと評されるにも関わらず、脚本家としての活動時期は二十年