海外マンガの仕事に関わる人物を紹介する「海外マンガの人々」。今回ご紹介するのは、書店員、評論家、編集者とさまざまな立場で海外マンガにずっと関わってこられた日本における海外マンガ紹介の功労者おしぐちたかしさん。90年代からおしぐちさんを知る小田切博さんにインタビュアーを務めていただきました。 ―ぼくは孤独だった はじめて海外マンガを知ったのはいつごろですか。 海外のマンガというか、十代のころはマンガ自体ほとんど『COM』【註1】 しか読んでないんですよ。 ‘55年生まれで「鉄腕アトム」はテレビアニメの放送開始と同時に観ていたからアニメ第一世代なのは間違いないんだけれど、『少年』【註2】や『ぼくら』【註3】のような月刊少年漫画誌の全盛期はすでに過ぎ、週刊少年漫画誌は創刊直後というはざまの時期に子供時代を過ごしたので、アトムや鉄人(28号)も雑誌連載ではちゃんと読んではいないし、経済的に週刊の雑