■権益あさる国策会社 国際社会にとって2010年の最大の懸案は、テロとの戦いが続くアフガニスタンである。オバマ米大統領の増派決定により治安悪化に歯止めがかかるのか。インド洋での給油活動に代わる日本の貢献策はどうなるのか。ただし、今年のアフガン情勢を占うには、米国やその同盟国の動向だけでは不十分だ。経済権益を着々と築く中国の存在も無視できなくなっている。 昨年11月下旬のある朝。首都カブールの大使館街の一角で、爆発音が響き渡った。ちょうど、宿泊先でアフガン人の助手と取材の打ち合わせをしていたときのことだ。周りの窓ガラスが割れんばかりに激しく揺れた。仕掛け爆弾が爆発したのは、70メートルほどしか離れていない道路沿いだった。 イスラム教の祝祭、イード・アルアドハー(犠牲祭)のため連休中で、死傷者こそ出なかったものの、市民がいかにテロと隣り合わせの暮らしを強いられているかを思い知った。 そのころ、